タイ沿岸の水中植物ウェブ写真図鑑
公表年月日:平成24年10月24日
かつて高級水産物であったクルマエビ類は、養殖されるようになったことで価格が安くなり、以前より身近な食材となりました。その多くは東南アジア諸国をはじめ、熱帯各国から輸入された養殖エビたちです。しかしながらこれらエビ類の養殖の成功の一方で、現地の環境破壊や周辺水域の汚染など、様々な問題を引き起こしています。私たち日本人が安いエビを食する背景には、このような生産国の多大な犠牲の上になり立っていることを認識しなければならないと考えています。
このような背景の元、JIRCASではタイ・カセサート大学ならびにキングモンクット工科大学ラカバンととともに、簡易で安価かつ環境に優しい、持続的なウシエビ(通称ブラックタイガー)混合養殖技術開発の研究に取り組んでいます。本技術では、養殖池内にウシエビとともに海藻や貝類を同時に繁殖させ混合養殖することで、水質浄化機能や餌料としての効果を期待しつつより本来の生態に近い状態でエビを育て、我が国および生産国双方に安全なエビを供給することを可能にします。
2012年3月に、タイの海藻図鑑「Common underwater plants in coastal areas of Thailand」を刊行しました。本書は、エビとの混合養殖に適している水中植物を探る中で出会った海藻・海草類を、英語及びタイ語の簡単な記述と写真で、紹介したものです。本サイトはそれを若干改訂し、ウェブ版としてアップしたものです。 掲載した水中植物は、スノーケリングで撮影したものばかりで、誰でも簡単に観察できます。日頃あまりなじみのない水中植物を通じて、沿岸環境の保全にご関心を持って頂けましたら幸いです。 本サイトの種分類・記載内容には細心の注意を払っていますが、分類の変更や作成者らの誤字脱字など不適当な個所があるかもしれません。新たな種類の追加など今後も更新して参りたいと考えています。閲覧された方々のご意見をお待ちしております。