現地の動き - 日本

  • Pick Up

    434.東京栄養サミット(N4G)が本日から開催

    昨日12月6日、「野菜・果物―地球と人間の健康のための研究と行動の機会」がオンラインで成功裏に開催されました。さて、本日から2日間、日本政府の主催で、「東京栄養サミット2021」が開催されます。国際農研は、農林水産省サイドイベントのセッション2:食を通じた栄養課題の持続的解決に向けて~「たべものはローカル、知恵はグローバルに」と、企業・団体プレゼンテーションに登壇いたします。
  • Pick Up

    255. 地球温暖化によって四季の長さが変わる

    日本人にとり桜の開花などの植物の変化は四季を感じるバロメーターですが、気候変動は四季にどのような影響を及ぼすのでしょうか。1950年代には、北半球において毎年予測可能な範囲で四季が巡ってきました。しかし気候変動は季節の長さと開始日を大幅に狂わせるようになっています。Geophysical Research Letters誌で公表された論文は、気候変動対策が十分なされない場合、2100年までに北半球において夏が極端に長くなる一方冬が短くなる状態になりかねず、農業、人々の健康、環境に大きな影響を及ぼしうると警鐘を鳴らしました。

  • Pick Up

    50. 新型コロナウイルス・パンデミック -COVID-19 vs.気候変動対策に関する主要国意識調査

    英国の市場調査会社であるIpsos MORIは、2020年4月、主要国におけるCOVID-19と気候変動や環境問題に関する意識調査を発表しました。世界の国々と比べ、調査時において、日本は気候変動をCOVID-19同等の危機とみなし、政策的な優先事項と捉え、COVID-19による経済復興は環境に負の影響をもたらすべきではないという意見が多いながらも、政党による気候変動・環境問題の政治アジェンダ化の期待は必ずしも相対的に高くないようです。

  • Pick Up

    13. 熱帯・島嶼拠点@石垣島における熱帯果樹研究

    近年、世界的にも観光地として注目を浴びている石垣島は、地理的には沖縄本島よりも台湾に近く、気候的には亜熱帯地域に属します。国際農研は、日本の農業研究機関では唯一熱帯作物の栽培環境での実証研究が可能な石垣島に研究拠点を持ち、国内外の農業に貢献するために大きな使命を担っています。その一環として、開発途上国と日本の双方における熱帯果樹生産の促進に貢献することを目的とし、マンゴーとパッションフルーツの研究を行っています。これらフルーツはビタミンなどの栄養素に富み、また商品価値も高く、優れた品種育成につながる研究は、国内外の消費者・生産者双方の利益になると期待されます。

  • Pick Up

    11. 新型コロナウイルス・パンデミック ― 国際貿易と食料安全保障

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による移動規制・都市封鎖 (ロックダウン)に際し、グローバル・フードチェーンはその頑強性(robustness)・強靭性(resilience)が試されています。国際社会が世界的な食料危機を乗り越えるには、国際貿易の動向についての情報もしっかりモニターしていく必要があります。全農産物の貿易額は2000年から2018年に額面で3倍、重量ベースで約2倍に拡大しました。日本は穀物貿易において世界第三位の輸入国であり、カロリーベースの食料自給率が37%である原因の一つが、メイズ(トウモロコシ)を主原料とする畜産飼料の海外依存です。コメの国際貿易においては、意外にもアジアから中東・アフリカへの流れが大きく、一人当たりのコメの消費量が日本よりも多い純輸入国も多くあります。近年、アフリカのコメ消費量は都市化と人口増加で年々増えており、籾収量と作付け面積双方の持続的な増加に貢献する技術が、自給率向上の鍵となります。
  • Pick Up

    7. イネ遺伝資源に関する国際共同研究体制の必要性

    日本では様々なコメの品種改良が行われ、国内各地域に適応したコメ品種が生みだされてきました。一方で、世界の貧困地帯は熱帯などの開発途上地域に集中しており、コメも主要な食料の一つとして利用されています。近年、温暖化や異常気象が進む中、コメの品質が低下したり、安定的に十分な収量を得られなくなることも危惧されています。気候変動による天候不順等に備え、コメの安定生産を図ることが、開発途上地域の貧困の解決や社会の安定化、ひいては日本の食料安全保障にも大いに貢献することになります。国際農研では、コメ遺伝資源および育種素材の保存と利用に向けた国際的な協力体制の確立に貢献するため、育種素材の確保とそれらに対する基礎データベースの開発に取り組んでいます。