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国際農業開発基金(IFAD)「サブサハラ・アフリカにおける農村-都市関係と フードシステム(Rural-urban linkages and food systems in sub-Saharan Africa.)」概要

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国際農業開発基金(International Fund for Agricultural Development、IFAD)による本報告書は、近年の都市化・所得増を背景とした食生活の変化に起因した加工食品・肉製品・青果物の需要が急増しているトレンドを踏まえ、包括的で持続的なフードシステム促進のための農村と都市の関係、それぞれの役割について考察している。

近年の急激な都市化を背景に、アフリカにおける農村社会経済が、持続的かつ包括的なフードシステムと雇用・所得機会を相互に生み出す農村-都市開発の好循環を生み出すための条件に関する政策議論が必要になってきている。とりわけ、小規模農民の生産性・所得向上と、若者世代の人口増・都市移動、に関連する課題に着目する必要がある。以下、アフリカにおける包括的・持続的なフードシステムを促進する為の優先的政策課題を挙げる。

  • 農村・都市関係における、格差解消と連関強化・改善
  • 農業バリューチェーンへの参入奨励・強化
  • 都市と周辺地域を繋げる地域圏フードシステム・アプローチの推奨(city-region food system approaches)
  • 農村女性・若者・移民に焦点を当てた、フードシステムにおける雇用創出
  • 生業の多様化、農村・都市移動、送金活動等に関する制度支援

本書は主に文献レビューに基づいているが、IFPRI(2017)「グローバル食料政策レポート」(http://www.ifpri.org/publication/2017-global-food-policy-report)のデータ分析と合わせて読むと興味深い。

より詳しい内容に関しては、以下の報告書原文を参照のこと

IFAD (2016) Rural-urban linkages and food systems in sub-Saharan Africa The rural dimension. https://www.ifad.org/documents/10180/b9021802-e3f7-4bd5-b0ea-760a8fbaabc2

なお、概要に関する本翻訳は、IFADから公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。(文責:研究コーディネーター  飯山みゆき)

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