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持続的農村発展のための食料資源の高付加価値化を通したフードバリューチェーン形成(フードバリューチェーン)

2017-10-24

持続的農村発展のための食料資源の高付加価値化を通したフードバリューチェーン形成(フードバリューチェーン)

 私たちが口にする食品は、生産から集荷、加工、流通を経て消費者に届きます。消費者の嗜好に合った品質の良い食品を提供し、生産者や加工・流通者に利益をもたらすバリューチェーンを構築するには、各段階に関わる人々がもれなく受益できるようコーディネートする仕組みが必要です。
 タイ、ラオス、中国等のアジア地域には、伝統的なものを含め多様な食品と利用加工技術が存在し、その中には機能性に優れるものや収益性が期待できるものが少なくありません(図1、図2、図3)。しかしながら、機能性や品質の評価が確定していなかったり、高品質の食品を安定的に生産・加工する技術や効率的に流通させるシステムが未成熟であることにより、優れた食料資源が十分に活用されていないのが実情です。高品質で機能性に優れた食品を作るための加工技術や効率的な流通システムは、生産から消費を円滑につなぐ重要な要素です。本プロジェクトでは、これらの食料資源を対象に、高付加価値化につながる特性解明と技術開発を通して、効果的なフードバリューチェーン形成に向けた諸課題の解決を目指します。
 フードバリューチェーンの構築は、開発途上地域農村の持続的発展に寄与します。このプロジェクトでは第1に、低利用資源、雑穀、発酵食品等に焦点を当て、地域に賦存する食料資源の品質や価値を正しく評価するための手法を開発します。第2に、伝統的な穀物加工食品、発酵食品の生産過程に内在する機能性や品質を高めるメカニズムを解明し、高品質の食品生産につながる利用加工技術の開発を行います。第3に、様々な経済発展段階の地域が存在するアジアにおいて、コメ、発酵食品等を対象に、流通、消費、嗜好等の特徴を分析し、フードバリューチェーン形成に有効な手段を明らかにします。そして第4に、フードバリューチェーンが効果的に機能しているかを測るための手法について提案と検証を行うとともに、近年、開発途上地域においても活用が注目されるようになってきたICT技術を用いてフードバリューチェーン形成を支援する手法を開発します。

図1 ラオスの市場で売られる淡水魚から作られた塩辛(パデック)

図1 ラオスの市場で売られる淡水魚から作られた塩辛(パデック)

図2 多様な銘柄を取り扱う中国のコメ市場

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図3 タイの大豆発酵食品(トゥアナオ)の製造

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