成果の概要

マダガスカルの鉄過剰ストレス水田で耐性を発揮する系統がもつ耐性メカニズムの解析を進めた。圃場における生育や光合成活性などの生理学的解析を実施したほか、根圏土壌の鉄濃度の測定および葉における遺伝子発現解析により、耐性系統の発揮する生理的メカニズムの解明を試みた。現地イネ品種に、鉄過剰ストレス耐性に関わる遺伝子座を導入した系統群を鉄過剰ストレス圃場において選抜した。鉄過剰ストレス圃場におけるバイオマス量に関わる遺伝子座の特定を進めるため、圃場で優良系統を選抜するとともに、そのDNA抽出手法について現地学生に指導を行った。本年1月の出張で整備したゲノム配列データを元に、鉄過剰ストレス耐性イネ系統が持つメカニズムの探索を進め、関連する論文化の方針について合意した。また、鉄過剰ストレス耐性系統の持つ特徴的なイオン蓄積データをもとに、共同研究者らとデータ解析を進め、論文の執筆に着手した。