1)理事長インセンティブ「熱帯樹木の温暖化影響予測に向けた、野外におけるマングローブの温度応答性の解明」のための現地調査およびワークショップ参加
2)理事長インセンティブ「沿岸生態系保全と持続可能な利活用に関する事前調査」 のための打合せ
3)マングローブの成長特性の評価
成果の概要
1)マラヤ大学においてワークショップ「Mangrove Management and Monitoring: Malay Peninsula」を開催した(参加者14名)。キックオフミーティングにおいて調査地の概要説明を行った。セランゴール州のマングローブにおいて、参加者らとともにマングローブ3樹種(Bruguiera gymnorrhiza, Rhizophora apiculata, Cerips tagal)について、陽葉の気孔開口度の日変化測定を2日間行った。最終日にはとりまとめ会議を開催し、得られた結果の解釈などについて議論することができた。
2)インドネシアのマングローブに詳しい北スマトラ大学の教授と会談し、沿岸域の持続可能な利活用による二酸化炭素排出削減の可能性について議論した。 マングローブの持続可能な利活用による二酸化炭素排出削減を実現するためには、カーボンクレジットなどの制度を利用することが考えられたが、カーボンクレジットのみならず生物多様性に関するクレジットを創出することの有効性について引き続き議論していくことになった。
3)マラヤ大学の研究者とともに、マラヤ大学が保有しているマレー半島のマングローブから採取されたマングローブ4樹種(Bruguiera cylindrica, Rhizophora, apiculata, Avicennia marina, Cerips tagal)の材サンプルを用いて材比重の測定を行うことができた。Bruguiera cylindricaに関しては枯死個体の材比重の測定も行ったが、計算された材比重に異常値がみられ、サンプル体積の測定方法に問題がある可能性があり、引き続き枯死個体の材比重測定方法について議論していくことになった。