フィリピンにおけるナマコ中間育成技術開発にかかる現地調査、「生態系アプローチによる熱帯域の持続的水産養殖技術開発及び普及」に関する水産熱帯養殖プロジェクト年次会合および「中間育成技術およびシステムダイナミクスモデルを導入した水産養殖システムの開発」に関するJIRCAS-SEAFDEC合同ワークショップの開催、およびマニラにおけるナマコ類の流通調査
成果の概要
カウンターパート機関である東南アジア漁業開発センター養殖部局(SEAFDEC/AQD、フィリピン)において、ハネジナマコの中間育成実証試験の現地調査を行った。調査はフィリピン・パノボロン島の北側と西側の2か所において、大小2種類の海底中間育成施設を用いて実施している。大型海底中間育成施設での生残率ならびに成長率は、同時に試験を開始した小型海底中間育成施設と同様の結果が得られた。この結果は、ハネジナマコの施設の設置コストや管理労力を考慮すると、大型海底飼育施設も中間育成手法の選択肢になると考えられた。SEAFDEC/AQDにおいて、国際農研・熱帯水産増殖プロジェクトの年次会合を開催した。会議ではプロジェクトメンバーから今中長期計画の成果を報告し、総合討論では次期中長期に向けた取り組みについて議論した。フィリピン・イロイロ市内において、中間育成技術開発に関するワークショップを開催した。会議は養殖対象種の中間育成の要素技術開発、システムダイナミクスモデル(SDM)を用いた養殖システム開発の2部構成で発表が行われた。その後、3つのグループに分かれてSDMに基づく養殖システム構築に関する議論を行った。マニラ市内においてナマコ流通調査を行い、乾燥および冷凍ナマコを扱う店舗が複数あることを確認し、またそれぞれの店舗で異なる流通経路が存在することを把握した。
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