カキ稚貝の中間育成装置の組み立てと試運転

報告書番号 出張年月 国名 関連プログラム 公表年月日
R04-0276 2023年02月 - 2023年03月 マレーシア

成果の概要

これまでの調査から、カキ養殖工程におけるカキの初期稚貝の大量へい死が、現地において高いカキの消費需要を満たせない制限要因になっていることが明らかになった。先進国ではカキの初期稚貝を安定的に育成するには筏設置型の中間育成装置が養殖現場に普及しつつあるものの、その市販品は大型で高額である。本出張では、同装置に利用できそうな安価な材料を現地調達して試作装置を組み立て、カキ養殖筏での試験運用を行った。約1週間の運転の結果、装置に用いた水中ポンプはトラブルなく動作し、タイマー管理により設定する頻度で水中の海水を水槽内に汲み上げて装置が機能することを確認した。また、現地で入手できたカキ稚貝を同装置に入れて約1週間の飼育を行ったところ死亡は発生せず、カキの消化器官には充分な摂餌状態を示唆する植物色素の蓄積が認められ、新たな貝殻形成が見られる個体も存在することを確認した。但し、養殖筏は熱帯マングローブ域にあるため濁物由来と思われる装置の汚れが酷く、数週間にわたる長期運転には定期清掃が必要になると思われた。

マレーシア

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