成果の概要

優れた養分吸収能をもつマメ科作物を活用して農地系内の養分フロー増強とイネ生産性向上を目指す輪作栽培試験の2作期目の準備作業を完了した。現地試験圃場において1作期目の作物の生育状況の確認と収穫作業を行い、雨季が始まる11月からの2作期目に向けて、耕起・播種作業の手順について確認した。また、近接する農家圃場を新たに試験圃場として選定し、本試験で得られた結果を異なる圃場条件においても適用可能かを検証するための研究基盤を整備した。
アンカラファンツィカ国立公園内の原生林と農村部において土壌断面調査と土地利用調査を行った。その結果、主に半落葉樹林である原生林内には石英砂からなる厚い砂質土壌が広く分布することを明らかにした。また、同国立公園内の農村部にはユーカリなどの植林地や、土壌侵食によって運ばれてきた砂が堆積して収量が低下した水田圃場などが分布することも確認し、当地域の土壌と土地利用（植生）の分布に関する基礎的知見を獲得することができた。