ケイ素の肥培管理技術に関するイネの生育調査(科研費)、マダガスカルにおけるイネの硫黄欠乏に関する調査(アフリカ稲作振興III)
成果の概要
(1)マダガスカル中央高地に位置する2か村で、窒素とケイ素資材の組み合わせによる施肥処理区を設置した20点の農家圃場を対象に、1)生育・発育状況の達観調査、2)いもち病発生程度の評価、3)最上位展開葉の採取を行ったところ、窒素のみ区に対して、窒素とケイ素の両方を加えた処理区で、イネの生育が旺盛な傾向がみとめられ、ケイ素処理の量的効果を示唆する観測結果が得られた。ただし、対象とした農家圃場では、いずれもいもち病の顕著な発生は調査時には認められず、施肥処理間による発生程度の差は不明瞭であった。
(2)マダガスカル稲作における硫黄欠乏の実態に関する基礎調査のため、上述の試験圃場を対象に、硫黄濃度を分析するための植物サンプルを採取した。また、2016年度から開始される中期計画、および2017年に予定される次期GRiSPにおける、マダガスカルでの研究展開と連携を念頭に、アンタナナリボ大学放射線研究所とAfrica Rice Centerの関係者と打ち合わせ行い、プロジェクトサイトの共有、実施課題の棲み分け、および、情報共有のための定期的会合の推進、など、具体的な連携策について確認することができた。
マダガスカル