研究成果情報 - タイ

国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。

各年度の国際農林水産業研究成果情報

  • 東北タイ天水田土壌では含水比が20%であると水稲は出芽し、雑草は抑制される(2001)

    砂質土壌の多い東北タイ天水田土壌で乾田直播を行う場合、土壌含水比が20%であると水稲カオドマリ-105の出芽には影響を与えずに、カヤツリグサ科雑草の発生を抑制できる。

  • 広域灌漑地区における雨量計密度の評価(2001)

    少ない雨量観測点から降雨分布特性を推定する方法を用い、熱帯モンスーン地域降雨分布例を示すとともにこれから雨量計密度を評価する方法を開発した。

  • アーバスキュラー菌根菌がブラジルサバンナにおける暖地型イネ科牧草の乾物生産量とリン吸収量に及ぼす影響(2001)

    ブラジルサバンナに生育する暖地型イネ科牧草乾物生産リン吸収は、土着のアーバスキュラー菌根菌(AM菌)によって促進され、その効果は、土壌pHが低いほど大きい。また、牧草の中では、Brachiaria brizanthaB.decumbensのAM菌依存度が高い。

  • ブラジルサバンナの低湿地に適した牧草と草地造成方法(2001)

    ブラジルサバンナに広がる低湿地牧草地造成には、湛水中の生存が可能な Brachiaria humidicola が最も適している。B. humidicola草地を播種造成する場合は雨季後半に低湿地の冠水が退いたのちトラクターによる作業が可能になる5月頃の播種が適している。

  • タイ東北部におけるホルスタイン種乾乳牛のエネルギー要求量(2001)

    タイ東北部のホルスタイン種乾乳牛では、エネルギー出納は大豆粕の給与(CP)水準が高くなるに従いエネルギー蓄積量が増加する。乾乳牛の維持に要する代謝エネルギー(ME)要求量は409KJ/BWKg0.75である。

  • 電解水を用いた豆腐原料大豆の微生物制御技術(2001)

    大豆浸漬水として酸性電解水、又は、混合電解水を用いることにより、豆乳や豆腐の品質を損なうことなく、大豆由来の微生物を効果的に殺菌することが可能となる。

  • 中国における高品質ビーフンの加工法(2001)

    異なるアミロース含量のジャポニカ・インディカ米の中で、アミロース含量20%以上のインディカ米を用いたビーフンの食味評価が高い。また、原料米を2時間浸漬後に水挽きすると湯溶けが少なく食感が向上する。河粉の食感向上のためには、原料の10%を予備糊化させ、残りの米粉スラリーと均一に混ぜた後蒸煮するとよい。

  • オイルパーム空果房からの高純度セルロースパルプの調製(2001)

    オイルパーム空果房に対して環境負荷の少ない方法でパルプ化・漂白を行ない,既存の工業製品に近い性質を有する高純度セルロースパルプを調製し,熱帯産未利用木質資源からファインケミカルズ原料を製造することができる。

  • 中国産淡水魚類筋肉の鮮度変化の特徴(2001)

    中国において養殖生産量の多いハクレンおよび草魚は、官能検査による品質評価ならびにK-値の変化の特性から判断すると、即殺後の適切な温度管理により、鮮魚として3日間の流通が可能である。

  • 養殖エビで発生しているウイルス病の単クローン抗体を用いる診断(2001)

    養殖エビに深刻な被害を与えているホワイトスポットシンドロームウイルス(WSSV)は、単クローン抗体を用いる血清学的診断法によって検出できる。

  • カンキツグリーニング病を媒介するミカンキジラミの分布はゲッキツの分布と一致する(2001)

    カンキツグリーニング病を媒介するミカンキジラミは、ミカン科のゲッキツが分布する奄美大島以南の南西諸島において恒常的に発生しているので、カンキツグリーニング病が未発生のこれらの島々では、本病の侵入に対する警戒が必要である。

  • WTO加盟の中国農業への影響(2000)

    中国WTO加盟によって、小麦、トウモロコシ、大豆等の輸入が増大することが予想されるが、米の輸入は増えない可能性が強い。WTO加盟後は、安価な農産物の輸入が増えることに加え、価格支持政策の実施が制限されるので、穀物国内価格は上がりにくくなる。

  • 日本在来小麦と中国育成小麦の赤かび病抵抗性遺伝子の比較と集積(2000)

    小麦赤かび病抵抗性品種の延岡坊主小麦(日本在来)と蘇麦3号(中国育成)との雑種F1に由来する半数体倍加系統を用い、関与する抵抗性遺伝子の数が推定され、両品種のもつ抵抗性遺伝子を集積した系統が作出できる。

  • 日本在来小麦と中国育成小麦の赤かび病抵抗性遺伝子の比較と集積(2000)

    小麦赤かび病抵抗性品種の延岡坊主小麦(日本在来)と蘇麦3号(中国育成)との雑種F1に由来する半数体倍加系統を用い、関与する抵抗性遺伝子の数が推定され、両品種のもつ抵抗性遺伝子を集積した系統が作出できる。

  • タイ国コンケン県における農業生産に関わる窒素循環(2000)

    東北タイのコンケン県において求められた農業生産に関わる窒素フローから、農地における窒素収支は-40kg/haと見積もられる。農地に還元される窒素量が34kg/haあるが、還元されない窒素量も58kg/haであり、これらの未還元有機物資源を農地へ効率的に還元することにより、窒素収支の適正化が期待できる。

  • ブラジルの草地およびダイズ畑における窒素収支(2000)

    ブラジルセラードにおける連続草地と連続ダイズ畑での窒素収支を定量化する。連続ダイズ畑では窒素肥料を施用しないにもかかわらず下層に硝酸態窒素が蓄積する。両農地において窒素収支はマイナスになり、その度合は連続ダイズ畑の方が連続草地より大きい。

  • セジロウンカに対する中国ジャポニカ水稲‘春江-06’の品種抵抗性(2000)

    中国ジャポニカ水稲‘春江-06’の高度なセジロウンカ抵抗性は、優性の吸汁抑制形質と、劣性の殺卵誘導形質の複合作用によって発現し、両抵抗性形質は、それぞれ中間母本‘秀水04’および‘祥湖24’、‘C81-40’に由来する。

  • インドネシア産大豆の豆腐・テンペへの加工適性(2000)

    インドネシア産大豆は、輸入米国産大豆と比べタンパク質含量が高く、豆腐加工適性に優れる。テンペ加工においては、粒の大きい大豆ほど収量および官能評価も高く、百粒重が15g程度の品種を用いれば、製品テンペの官能評価における輸入米国産大豆とインドネシア産大豆との明らかな差は認められない。

  • インドネシアにおける大豆発酵調味液ケチャップ製造用麹菌の改良(2000)

    インドネシア醤油様大豆発酵調味液ケチャップの麹製造用に、Aspergillusの有用株から紫外線照射により白色変異株を作成した。同国常在のアフラトキシン生産菌との識別が容易なため、スターター(種菌)として使用できる。

  • 東北タイ緩斜面畑地におけるアレイクロッピング技術(2000)

    東北タイ緩斜面畑地においてアレイクロッピングに用いる樹種としては、ギンネムが適している。熱帯モンスーンの降雨に支配される樹木生育パターンからみて、緑肥として用いるための適正な刈込み間隔としては年3回、樹木間における作物の生育及び栽培管理上からみて、適正な並木間隔は20mである。