“世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景”として有名なボリビアのウユニ塩湖ですが、その近辺の畑地は塩分濃度が高く、作物にとっては不毛の大地です。こうした厳しい環境でも育つ極めて希少な作物に、近年「スーパーフード」として注目を浴びているキヌア(quinoa)があります。世界各地には、栄養価に優れながら、品種改良のための研究が十分行われてこなかった作物が多くあり、これらは「孤児作物 (orphan crops)」などと呼ばれています。国際農研は、キヌアの品種改良・高付加価値化への道筋をつけるのみならず、厳しい環境・気象条件に適応する作物のメカニズムを明らかにすることで、気候変動に対する育種戦略への知見を得ることを目指しています。