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ダイズさび病は熱帯・亜熱帯地域の大豆生産において深刻な影響を及ぼします。バングラデシュでも生産の拡大に伴いさび病が問題となっています。本研究では、抵抗性品種の導入によるさび病対策に向け、既知のさび病抵抗性遺伝子に対する病原性を調査しました。その結果、2016年のさび病菌は病原性が弱く既知の抵抗性遺伝子の多くが有効でしたが、2018年と2019年のさび病菌の病原性は非常に強く変化したことが分かりました。その中には既知の7種の抵抗性遺伝子が全く効かない強病原性のさび病菌が含まれていました。抵抗性品種の導入はコストや環境負荷の観点から有効ですが、安定的な効果を得るためには強病原性のさび病菌に対応した遺伝子集積などを利用した抵抗性品種の開発が必要となります。