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56. FAO・GAIN・The Johns Hopkins Alliance for a Healthier World: フードシステムに関する新ダッシュボードの開設

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情報収集分析

2020年6月1日、国連食糧農業機関 (FAO)・GAIN (Global Alliance for Improved Nutrition) ・ジョンズ・ホプキンス健康な世界のための同盟 (The Johns Hopkins Alliance for a Healthier World)は、より賢明な食料政策策定のためのフードシステムに関する情報提供ツールとして、新たなオンライン・ダッシュボードを立ち上げました(http://www.foodsystemsdashboard.org/)。

フードシステムは、農民・トレーダー・加工者・卸売業者・流通業者・小売業者・消費者を始めとする関係者、そして食料を農場から市場そして食卓へ届ける過程、を抱合します。きちんと機能しているフードシステムは、健康な食生活を支えるための栄養ある食料の利用可能性(availability)、アクセス可能性(accessibility)、手ごろな価格での提供可能性(affordability)を保証します。

ダッシュボード開設のきっかけとなったのは、2017年国連フードシステムと栄養に関する専門家ハイレベルパネルにおいて、フードシステムに関して体系的かつ質が担保された情報へのアクセスが容易でないという認識が共有されたことでした。データがなくては、フードシステム改善のために最善のエビデンスに基づく対応をとることが不可能です。フードシステムに生来的な複雑性と相互に入り組む関係性を踏まえ、簡単に利用できる形でデータを提示することが重要であり、これがダッシュボード作成の動機となりました。

ダッシュボードは230以上の国・地域のフードシステムに関して、35のデータソースに戻づく170以上の指標を提示しています。フードシステムの多国間比較や食生活や栄養改善の優先分野の特定などに役立つことが期待されます。ダッシュボードはこれまで適切なデータを収集するのにかかっていた時間を半減させることを目指しています。

 

参考文献

FAO. FAO, GAIN and Johns Hopkins Alliance for a Healthier World launch new online dashboard to inform better food policy. http://www.fao.org/news/story/en/item/1278464/icode/

 

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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