国際機関動向

第3回JASTIPシンポジウム-ASEAN - Japan STI Collaboration for SDGsに参加

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 平成29年2月5日に、バンコクで、表記シンポジウムが開催され、参加しました。JASTIP(日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点)は、JST国際科学技術共同研究推進事業「国際共同研究拠点」のもと実施しているプロジェクトであり、日ASEANの科学技術協力に関するプラットフォームを構築し(JIRCASもこのプラットフォームに参加)、持続可能な開発に向けて「環境・エネルギー分野」、「生物資源・生物多様性分野」、「防災分野」の分野で共同研究を実施しています。本シンポジウムには、日本及びASEAN各国の研究機関等から100名ほどが参加し、3分野で実施されている共同研究の成果及び本部の活動が報告されるとともに、JASTIPの今後の方向性について議論が交わされました。(http://jastip.org/result/%e7%ac%ac3%e5%9b%9e%e3%80%80jastip%e3%80%80%e3…
 「環境・エネルギー分野」では、マレーシア・サラワクの遠隔農村における再生可能エネルギーを基盤とした電化とクオリティー・オブ・ライフの研究、ベトナムにおける地域エネルギー管理システムと再生可能エネルギーの研究、タイ・チェンマイでの再生可能エネルギーの社会実装の研究について、報告がありました。また、若手研究者トレーニングの報告もありました。
 「生物資源・生物多様性分野」では、高付加価値生産物のためのASEAN諸国における植物資源の生物資源探査(bioprospecting)、サトウキビ収穫残渣からバイオエタノールや付加価値化学物質への転換の統合プロセス開発、インドネシアとタイで採取した熱帯菌類による合成染料の脱色と多環芳香族炭化水素(PAHs)の解毒について、報告がありました。
 「防災分野」からは、ASEAN事前災害復旧計画-インドネシア、フィリピン、ミャンマーでの復旧計画の評価、リモートセンシングとモデリングの統合手法を活用した災害時のLangat川流域の水質評価、ASEANの人々の災害避難におけるICT活用-2011年東日本大震災と2016年熊本地震からについて、報告がありました。
 JASTIP本部からは、2年間に4回の会議と63回の研究機関との会合の実施、人材育成としてタイのコンケンにおける塩害対策技術、社会実装として社会起業家向けのプラットフォーム構築、ドライトイレットの開発・普及の報告がありました。
 総合討論では、グローバルな教育、マルチフィールド、多くの人の間での情報共有、社会実装との相互影響、学術と企業の間をつなぐ人材交流プログラム、社会科学の参画が必要であることなどの意見が出されました。

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