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アジア・太平洋地域における開発のための農業研究投資に関するハイレベル政策対話(High Level Policy Dialogue on Investment in Agricultural Research for Sustainable Development in the Asia-Pacific Region)に参加

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国名
タイ

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表記会議は、持続性のある開発のための農業研究とイノベーションに対する長期的な投資の重要性を各国の政策立案者や意思決定者に対して喚起することを目的に、2015年12月8~9日に、タイ国バンコク市で、開催されました。アジア・太平洋地域の農業研究機関等で構成されるアジア太平洋農業研究機関協議会(APAARI)が、豪州国際農業研究センター(ACIAR)、タイ農業局(DOA)、FAOアジア・太平洋事務所(FAORAP)、農業研究に関するグローバルフォーラム(GFAR)及び国際食料政策研究所(IFPRI)と共催し、アジア・太平洋地域の各国農業研究機関(NARS)の長や行政機関のシニアレベルの政策立案者に加え、企業、NGO、国際研究機関等から、120名以上が参加しました。本会議には、JIRCASから理事長、研究戦略室の杉野研究コーディネーター、白鳥研究員及び松本地域コーディネーターが参加しました。

Raghunath Ghodake APAARI事務局長及びAPAARI議長であるSomchai Charnnarongkulタイ農業局(DOA)局長からの歓迎挨拶の後、Kundhavi Kadiresan FAO RAP代表の基調講演、Sakchai Sriboonsueタイ農業省副次官の来賓挨拶が行われました。

会議は以下のテーマで議論が行われました。「投資の現状と見通し(Importance, Status and Outlook for Investment in Agricultural Research and Innovation)」では、各国の研究投資の実態と研究成果が農業生産向上に寄与している解析結果が示されました。「農業研究投資の焦点(Scoping Investments in Agricultural Research and Innovation - Meeting Current and Emerging Needs and Challenges)」では、農業研究の協調の重要性、集中するべき分野について議論が行われました。「持続的農業に対する研究投資の可能性(Scoping Investments in Agricultural Research and Innovation)」は3つのセッションに別れて議論が行われ、「a. 気候変動対応(Climate Smart and Sustainable Agriculture)」では、岩永理事長が座長を務め、農業多様化の重要性、生産向上・適応・排出削減技術、政府・民間への拡大など気候変動対策として取り組むべき課題が議論されました。「b. ナレッジマネジメント(Knowledge Management for Sustainable Development)」では、土地利用情報、エビデンス、オープンアクセスの重要性が議論され、「c. キャパシティディベロップメント(Partnership, Collaboration and Networking)」では、教育の効果、普及システム、企業参加の議論が行われました。「農業研究投資のインパクト(Impact / Expectations from Investment in Agricultural Research and Innovation)」では、メコンデルタ、乾燥地農業、能力開発プログラムの例が紹介されました。「革新的ファンディングメカニズム(Innovative Funding Mechanisms)」では、技術適応対象である農家を含めた地域レベルの集団的活動・協業の重要性、インドの投資活用例、知財活用における課題、農家と政府の共同出資例が紹介されました。

閉会の挨拶として、Raghunath Ghodake APAARI事務局長から、本会議は、投資促進に向けた活動の始まりに過ぎず、本会合の結果をふまえ、様々な関係者が協調して行動することが重要であることが述べられました。

会場の様子
座長を務める岩永理事長

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