サブサハラアフリカの土壌侵食危険地域における集約型流域管理モデルの構築(アフリカ流域管理)

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資源・環境管理

2022-03-31

サブサハラアフリカの土壌侵食危険地域における集約型流域管理モデルの構築(アフリカ流域管理)

 サブサハラアフリカの多くの地域では、農地の拡大と薪炭材確保のための森林伐採が継続されており、土壌侵食を始めとする土地劣化が拡大しています。その危険度が最も高い地域に位置するスーダンサバンナ帯のブルキナファソ中央台地とエチオピア高原で以下の研究を実施します。  ブルキナファソ中央台地では、降雨強度が高く、水食に対して脆弱な土壌が分布するため土壌侵食が深刻です。また、低投入型農業のため、土壌肥沃度の低下と農業生産性の停滞が続いています。本研究では、地域の土壌・水資源の有効利用を図るために、流域を対象とし、その土地条件に応じて、植生帯、保全農業、天水田稲作を配置する資源利用効率の高い土壌・水保全技術を提案・評価します。また、ソルガム増収技術、および、改良された家畜飼養管理技術を開発し、集約型農林牧土地利用システム推進のための基盤技術を提案します。そして、これらの技術の導入が資源利用効率に与える影響を流域水循環予測モデル(SWAT)および土壌侵食予測式(USLE)により評価するとともに、農家所得に与える影響を農家の現況調査に基づく技術導入影響予測モデルにて評価します。  東アフリカに位置するエチオピア高原地帯では、長年の伐採と急傾斜地の開墾による森林の減少が土壌侵食の主要因となり、近年、農業や農村の生活環境にも大きな影響を与えています。本研究では、脆弱性の高い在来アカシア樹林を対象とし、その定着を促進するため、土壌改良資材と共生菌を活用した森林の保全に結びつく技術や傾斜地で営まれる小規模な農地を対象とし、その生産性を維持しつつ保全を図ることのできる手法の検証とエチオピア特有の土地制度を考慮し、土地の利用方法や森林保全活動が農民の生計に及ぼす影響を明らかにし、農村部の持続的な土地利用制度のあり方を提案します。これら技術導入と土地制度の面から総合して、流域を単位とした自然資源を基盤とした住民のための複合的な森林・農地管理対策を構築しようとするものです。

農地と樹林の混在した流域斜面(エチオピア)

自然資源に依存している生活燃料(エチオピア)

表面流出水は土砂を含み一気に低湿地に流れ込む(ブルキナファソ)

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