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1030. 食育の推進

1030. 食育の推進
栄養問題はグローバルな課題です。19億人の成人が過体重あるいは肥満であり、20億人が何らかの微量栄養素不足に陥り、1.61億人の幼児は低身長を患い、7.95億人の人々が健康な生活を維持するのに必要な食料にありつけていません。
国連食糧農業機関(FAO)によると、不健康な食生活が以上の栄養問題の最大の原因の一つとなっています。翻って、不健康な食生活の原因は、個人レベルでの嗜好・信条・価値観・知識、家族レベルでの文化的慣行、社会レベルでの規則やインフォーマルな制度、国レベルでの健康保険制度・食産業・食農業システム・政策・メディア・社会分化規範、など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
FAOによると、食育は、個人・家族・社会・国の全てのレベルにおいて、人々が長期的に食生活を改善し、行動変容を実現するための様々な教育戦略を指します。食育は、単なる情報提供にとどまらず、健康な食生活を送るのに必要なキャパシティ・意思決定を可能にするエンパワメントの機会を提供することが目指されています。
日本では、毎年6月は「食育月間」とされ、国、地方公共団体、関係団体などが協力して、食育推進運動を重点的かつ効果的に実施し、食育の一層の浸透を図ることとしています。
食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てる必要があります。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)