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ニジェール国で第4回中央および西アフリカ農業科学週間に参加

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西アフリカのサヘル地域に位置するニジェール国は、人口増加率3.7%と急激な人口増加による食料安全保障を始めとした多くの課題を抱える世界で最も貧しい国の一つです。過去20年の間に、気候変動に起因する過度の旱魃と洪水によって、ニジェール国を含むサヘル地域における農牧林システムに非常に大きな被害をもたらしました。2009年には記録的な少雨により作物や家畜飼料が収穫できず、1,000万人以上が食糧不足に陥りました。一方で翌年、2010年には多雨によって水が氾濫し、作物が水没し家畜が洪水により死にました。このような異常気象が増加している国においては、生産業の環境変動に対するレジリアンスの強化が喫緊の課題となっています。 このような背景を受けて、中央および西アフリカ農業研究・開発協議会(CORAF/WECARD)は、2014年6月16日から20日にかけてニジェール国の首都ニアメで「中央および西アフリカにおける食糧自給のための革新的農牧林システム」を主題とした会議を開催しました。開会式では国務大臣から「本会議の主題は、ニジェール共和国Mahamadou Issoufou大統領が食料の安定供給の確保に向けて提唱している3N(Nigeriennes Noullient Nigeriennes:ニジェール人の糧はニジェール人が与えよう)イニシアティブに合致しており、多くの課題に直面している中央および西アフリカでは農牧林システムの改善を図り、自らアフリカ農業を振興させることが大切である」との宣言により本会議は開始しました。 JIRCASは展示ブースを設置し、ニジェール国やガーナ国などでJIRCASが実施した研究課題について、ポスターによる紹介と最終成果であるマニュアル等の配布を行いました。ニジェール国では農林水産省を始めとする日本の関係機関が長期にわたり海外技術協力を展開してきたこともあり、多くのニジェール人が展示ブースを訪問し、内容の濃い意見交換を行うことできました。治安上の問題から現在、JIRCASはニジェール国での研究活動を停止していますが、農業研究の早期再開を望む声が多く聞かれました。 アフリカの農業開発には長い時間を要します。研究の実施に当たっても長期にわたって継続的に研究に取り組むことが重要です。ニジェール国でのJIRCASの研究が早期に再開されることを願っています。

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  • 開会式の様子 開会式の様子
  • JIRCAS展示ブースでの広報 JIRCAS展示ブースでの広報
  • 研究ポスターの発表 研究ポスターの発表
  • 乳製品加工工場への視察 乳製品加工工場への視察

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