カンボジアイネ遺伝資源の活用に向けた調査と意見交換
成果の概要
カンボジア北部で野生イネの生息状況を調査し、耕作放棄水田や水路で多年生型・一年生型の野生イネを確認、栽培イネとの交雑が推測された。過去に報告された野生イネ生息地は観光地整備等により消失した可能性がある一方、新たに未報告の地域でこれまでとは異なる形態を持つ種を発見し、遺伝資源としての価値が示唆された。現地農家圃場では、それぞれの水環境に適するイネ品種が栽培されているが、種子純度の低さや混入が輸出向けに不利であること、近年の豊作による価格低下が生計を圧迫し離農を招いている現状が把握された。これらの情報は遺伝資源活用や品種改良の基礎資料となる。
カンボジア