カンボジアイネ遺伝資源の活用に向けた調査と意見交換
成果の概要
半世紀以上前にインドシナ諸国で収集された在来イネ品種のうち、ガンボジアが原産国とされる49品種について、カンボジア農業研究開発機構に返還された。これらの遺伝資源は、ポルポト政権による内戦によって失われた遺伝資源を復活させるものであり、内戦以前の近代農業が発展する前の栽培環境に適応する優れた能力を有すると期待される。野生イネは耐病性やストレス耐性など、優れた形質を有する有用遺伝資源である一方、カンボジアでは、至る所に野生イネが点在し、一部は栽培水田の中にも侵食している。また、栽培品種との自然交雑によって発生した雑草イネは、野生イネより旺盛に生育し、多数の種子を散布させる。これらの除去には、多くの労力が必要となることが、問題となっている。
カンボジア