国際機関動向

国際連合食糧農業機関(FAO), 国際農業開発基金(FAD), 国連児童基金(UNICEF), 世界食糧計画(WFP), 世界保健機関 (WHO).「2017年世界食料安全保障・栄養白書: 平和構築・食料安全保障のためのリジリエンス構築[The State of Food Security and Nutrition in the World 2017.Building resilience for peace and food security」概要

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2017年9月15日に公表された「2017年世界食料安全保障・栄養白書」は、2030年までに世界から飢餓・栄養失調を撲滅する上で必要なアクションに言及する一方、食料安全保障・栄養に関するSDGs目標達成への進展度モニタリングの初の試みでもある。FAO主導の下で国連機関が協力することにより、本書は食料安全保障と栄養のリンクに関する包括的・世界的分析が可能となった。本白書のメッセージは、国際社会に対し、2030年までに飢餓・栄養失調なき世界を達成する野心に対する警鐘であり、解決のための新たな努力の必要性を訴えるものである。

慢性的栄養失調状態にある人々の数は2000年の9億人より漸減傾向にあったが、2015年から2016年に7億7700万人から8億1500万人に増加へ反転した。とりわけ紛争と旱魃・洪水などの天災の影響が重なったサブサハラアフリカ、南・東アジア、西アジア、の一部において、深刻な食料安全保障の悪化が観察された。

児童の発育阻害は、2005年から2016年の間に29.5%から22.9%へ減少傾向にあるものの、5歳以下の1億550万人の子供が未だに影響を受けている。

世界中で紛争が増加傾向にある。気候変動の影響も相まって、紛争は食料安全保障に深刻な負のインパクトを及ぼし、食料安全保障危機悪化をもたらし、とりわけ近年再浮上した飢饉問題の直接的原因となっている。こうした危機に対応するためには、緊急人道援助と長期的な開発・平和構築の送付による革新的な対応が必要とされる。

【プレスリリース英語版】
https://www.wfp.org/news/news-release/world-hunger-again-rise-driven-co…
【プレスリリース日本語版】
http://ja.wfp.org/news/news-release/170915

より詳しい内容に関しては、以下のサイトを通じ報告書原文を参照のこと

http://www.fao.org/3/a-I7695e.pdf

 

なお、概要に関する本翻訳は、FAOから公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。

(文責:研究コーディネーター  飯山みゆき)

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