フィリピンにおける新たな種苗とする海藻類の種苗生産にかかる現地調査および研究打ち合わせ

報告書番号 出張年月 国名 関連プログラム 公表年月日
R04-0308 2023年03月 - 2023年03月 フィリピン

成果の概要

本課題では、カラギーナンの原料海藻であるキリンサイの代替・補完となる新たな海藻種苗を確立することを目的に、現地に生育するイバラノリ属海藻の特性を評価する。現地には類似する形態の海藻(オゴノリ属等)が多数生育しており、対象とするイバラノリ属は、写真だけでは判別困難かつ、現地における生育状況は不明であった。そのため、まずは生育地点の特定と海藻の確保が必要であり、現地で対象種の探索および採集を実施した。いくつかの地点で海藻を発見し、採集後、カウンターパート機関である東南アジア漁業開発センター養殖部局(SEAFDEC/AQD)へ持ち帰り、屋外海水かけ流し水槽で飼育を試みた。数日間のモニタリングの結果、施設内の環境で生育可能であることを確認した。出張者の帰国後も安定的に維持できるよう現地担当者と打ち合わせた。また、イバラノリの生理特性を把握するため、段階希釈した海水中でインキュベートし、予備的に塩分耐性を調べた。その結果、塩分依存的に生残率は低下したが、1日程度であれば低塩分下でも生存した。今回の調査結果を現地担当者と共有し、今後の実験計画について打ち合わせた。

フィリピン

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