小麦イニシアティブ研究理事会等への参加のため
成果の概要
WIにより再編されたコムギ研究に関する世界最大の国際会議1st International Wheat Congress (IWC)にあわせて、7月27日に、カナダ・サスカトゥーンのサスカチュワン大学農学部で開催された研究理事会、機関調整委員会、研究委員会及び三者の合同委員会に参加した。27日午前では、研究理事会に参加し、移転後1年を経過したベルリン事務局の現状、本年度の会計状況等の報告があり、その後、各EWGの活動状況に関する点検を行い今後の推進に向けて議論した。また、日本からの提案として、遺伝資源(種子)のレポジトリーシステムの設立について出張者から説明を行い、その是非について議論し、最終的に細部を詰めながら進めていくことで意見の一致を見た。さらに、農林水産技術会議事務局のG20-MACSチームからの依頼に関して、その対応策を検討した。
27日午後には、機関調整委員会と研究委員会も加わり、三者合同委員会が開催された。午前中の研究理事会、機関調整委員会、研究委員会それぞれの検討状況が報告されたあと、各EWGの活動状況に関する議論を行った。特に、Pest and Disease, Germplasm, Wheat ISについて多くの時間を割いて議論が行われた。また、研究資金確保の観点から、昨年から設けられたFunding EWGから報告があり、引き続いて、国際共同研究に関する資金確保の現状や問題点、今後の方向について活発な議論が行われた。特にHeDWIC (Heat and Drought Wheat Improvement Consortium)に関する資金確保について、議論が集中した。
上記会議にさきがけて、1st IWCが21日〜26日の日程で開催された。発足以来、コムギ研究の国際的協調の場としての国際学会の開催を模索してきたWIにより統合された初めての大規模国際学会であり、900名を超える参加者があり、発表内容についてもコムギを取り巻く研究についてグローバルな視点から捉えられたものが多く、開催は成功したと考えてよい。一方で、参加者が予想以上に多いことや口頭発表を絞っていることから、若干お祭り的な部分も見られ、研究的側面からは今後の動向を注視していきたい。