サトウキビ野生遺伝資源データベース

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JIRCAS-サトウキビ野生遺伝資源データベースにようこそ

JIRCAS-サトウキビ遺伝資源データベースは、国際農林水産業研究センター(国際農研)のサトウキビプロジェクトにおいて、国際農研とコンケン畑作物研究センター(KKFCRC)が共同で収集した、タイのサトウキビ野生遺伝資源であるサトウキビ野生種エリアンサスの形態特性や農業特性の情報を掲載しています。

サトウキビ野生種やエリアンサスは、サトウキビの育種素材やバイオマス作物として非常に魅力的な特徴を具えていますが、効果的な利用に必要な基礎情報が不足しています。本データベースは、タイに存在するサトウキビ野生種やエリアンサス遺伝資源の多様な基礎情報を提供することで、タイはもとより、世界的な育種利用の促進に貢献することを目的として作成しました。

タイのサトウキビ野生種(左)とエリアンサス(右)

タイのサトウキビ野生種(左)とエリアンサス(右)

写真提供:Werapon Ponragdee、杉本明

国際農研のサトウキビプロジェクト

サトウキビの生産性や不良環境適応性等の更なる改良に向けて、育種素材の遺伝的多様性の低さが課題となっています。この問題を解決するためには、生産性や不良環境適応性に優れる近縁遺伝資源の利用が重要になります。

タイのサトウキビ産業は、二酸化炭素排出量の削減に向けて、バガスを利用したバイオエネルギー生産が増加しています。また、タイで最もサトウキビ生産が盛んな東北部は、厳しい乾季の影響で株出し栽培の収量が低いことが課題となっています。そこで、国際農研とKKFCRCでは、サトウキビの更なる改良の実現に向けて、タイに豊富に自生するサトウキビ野生遺伝資源であるサトウキビ野生種とエリアンサスに注目しました。1997年からタイ全土を対象とした遺伝資源収集を実施し、300系統以上のサトウキビ野生種、150系統以上のエリアンサス遺伝資源を収集・保存するとともに、タイのサトウキビ育種事業の中で、それら遺伝資源の利用を促進するための基礎育種技術や基礎情報の整備を行ってきました。

サトウキビの野生遺伝資源を効果的に利用するためには、多様な遺伝資源から目的とする材料を選び、育種などに利用していくことが必要です。これら遺伝資源は、アジアを中心に収集されていますが、その特性に関する公開情報は世界的にも少なく、利用されている遺伝資源も極わずかでした。本データベースを公開することで、タイやその他の国々におけるサトウキビ育種や研究、バイオマス利活用におけるサトウキビ野生遺伝資源の利用が促進され、世界の食料やエネルギーの増産に貢献することを期待しています。

乾期に枯れ上がるサトウキビ

撮影地:タイ国コンケン、提供:杉本明

サトウキビ野生種遺伝資源圃場

撮影地:タイ国コンケン、提供:杉本明

エリアンサス遺伝資源圃場

撮影地:タイ国コンケン、提供:寺島義文

謝辞

本データベースの作成にあたり、多くの方のご協力を頂きました
協力頂いたすべての方々に、感謝の意を表します
(敬称略)

  • タイ農業局コンケン畑作物研究センター (KKFCRC)
    • Werapon Ponragdee, Amarawan Tipayawat, Sangdaun Chanachai, Taksina Sansayawichai, Rianthong Pansaita, Peaingpen Sarawat, Somsit Juntarak, Jiraluck Phoomthaisong
  • 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)(https://www.jircas.go.jp/)
    • 杉本明、田金秀一郎(現九州大学)、霍田真一、平田正和、識名安輝、大和浩二、波照閒雄人、喜屋武みつる、真喜屋なおみ、星麻紀、林賢紀、村中聡、加納健、中島一雄、飯山みゆき
  • 筑波大学https://www.tsukuba.ac.jp/
    • 林 久喜
  • D-blauer-strom、日本
    • 蓮沼ユウキ


国際農林水産業研究センターサトウキビプロジェクト 
寺島義文、高木洋子、安藤象太郎、山中愼介