国際農研には、頼りになる上司と先輩が多く、いつも明るい雰囲気で良い職場です。休日や昼休みには有志の同僚と野球やテニスをして交流を深めています。研究者の中には外国籍の方も在籍しているので、日本にいながら世界各国の文化と触れられることも楽しみのひとつです。

研究分野を大きく転換するかどうかを悩んでおられる方ももしかするといるかもしれません。もちろん初志貫徹ができればそれは素晴らしいことですし、分野を変えれば新たに学ばなければならないことも多く大変なことも多いと思います。実際私も分野を途中で変えたことにより、回り道をしてしまったなと思うこともあります。ですがその回り道によって、将来の仕事にしようと思えるような興味深い研究テーマに出会えたのも事実です。研究テーマや手法の大きな転換はもちろんリスクにもなりますが、新たな気づきを得る良いチャンスになることもあるかもしれません。

私は妻が出産した際に、何か月か育児休業(育休)や有給休暇を取得しました。女性が赤ちゃんのケアにかける労力は大変なものです。若い男性研究者の皆さんは、育休などの制度を活用すると、このような負担を軽くすることができますし、何かしら得られるものもあるのではないかと思います。
若い女性研究者の皆さんにも、出産や育児のためにある程度長く休業しても、その後に研究の世界に戻る道は開かれているということをお伝えしておきたいと思います

私たちの足もとに広がっている土壌は、食料生産を支える基盤ですが、温室効果ガスの発生源となったり、土壌侵食や土壌肥沃度の低下などさまざまな問題を抱えています。このようなさまざまな問題の解決のためには、正しい科学的な知識に基づくアプローチが必要です。ご自分の興味や関心、問題意識を大切に、いろいろなことに挑戦していただければと思います。

研究職へ進むことを躊躇する人は多いかもしれませんが、興味があったら諦めずに挑戦してもらえたらと思います。現状では女性研究者が爆発的に増えたということはなく、大学や大学院修了後の将来像が見えづらいのも事実です。国外に目を向けてみると、女性研究者の進路やライフスタイルも様々で、身近にある理系出身だったらこうすべき、といった概念を取り払ってくれます。色々な情報を集め、そこから自分の漠然と描く将来を具体化させ、輝かしい未来を開いて頂ければと思います。

国際農研では、研究職をはじめ事務職員・技術専門職員など、様々な人が働いています。
このページは、求職活動中の学生の皆さまや若い研究者の皆さま等に『国際農研で働くイメージ』を感じていただくことを目的として、女性研究者および男性研究者からのメッセージ、支援部門職員からのメッセージを掲載しています。

世界人口のだいたい半分は女性です。農業生産者のだいたい半分も女性です。生物学的、社会的に男女が平等ではない世界で、半分の声がきちんと社会に反映されるために、研究者と研究はどうあればいいのか。まずは、女性の研究者がもっと多くなくてはいけないと思っています!