JIRCAS国際シンポジウム2022
持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割

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情報

2050年までに世界人口が100億人に増加すると予測される中、気候変動や生物多様性喪失を回避しつつ、誰も取り残さずに食料栄養安全保障を確保するための持続的な食料システムの在り方が問われています。こうした背景の中、「ブルーフード(魚介・海藻類を含む水産食品)」の重要性が注目されています。

水産食品は多様かつ様々な微量栄養素に富み、栄養源の多様化に貢献します。さらに漁業・養殖業は動物性タンパク質食品を生産する最も資源効率の高い手段であり、単位生産量当たりの炭素排出量を抑制することもできます。持続的な食料システムの構築において、これまで以上に漁業・養殖業は重要な役割を果たすことが期待されています。

同時に、人類にとって、水産食品は健康な食生活に欠かせず文化的にも極めて重要で、この中で小規模な漁業・養殖従業者は大きな役割を果たしています。国連は食料システム・生業・文化・環境において小規模漁業・養殖従事者が果たす役割に光を当てることによるポジティブな波及効果を期待して、2022年「零細漁業と養殖の国際年(The International Year of Artisanal Fisheries and Aquaculture)」と定めました。

とりわけ世界の漁業・養殖生産量の75%以上を占めるアジアでは、零細漁民・養殖業従事者が多数を占め、産業振興は貧困解決・経済開発にとっても中心的な役割を果たしています。一方、零細漁民・養殖はローカルな環境に大きく規定され、異なる技術的課題に直面しています。食料・栄養安全保障と強靭かつ誰も取り残さない持続的な漁業・養殖業の発展を実現するための科学技術イノベーション振興のために、関係者の教訓・経験の共有が望まれます。

国際農研(JIRCAS)は、農林水産業研究分野での国際貢献と国内外連携の中核的な役割を担っており、国際的な共同研究、連携・協力を通じて、SDGs の達成に貢献しています。開発途上地域における農林水産業の様々な課題解決に取り組み、生態系アプローチによる熱帯域の持続的水産養殖技術開発及び普及に向けた国際共同研究プロジェクトを推進し、またエビ類の閉鎖循環型種苗生産技術の開発と社会実装も実施しています。

本シンポジウムでは、2021年国連食料システムサミットと2022年零細漁業と養殖の国際年における議論を背景に、持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割の重要性と、持続性と生産性向上を両立する科学技術イノベーション実装の現状と課題について、共通認識を形成し、国際共同研究の方向性についての意見交換の機会を提供します。

プログラム

JIRCAS国際シンポジウム 2022 持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割
主催

国際農林水産業研究センター

後援

農林水産省

水産研究・教育機構

開催日
2022年11月22日(火) 13:00~16:15(日本時間)
場所

ハイブリッド(「一橋大学一橋講堂」および「オンライン」)
一橋大学一橋講堂では150名までを予定

(101-8439 東京都千代田区一ツ橋2丁目1-2 学術総合センター 2階)
アクセス:https://www.hit-u.ac.jp/hall/accessjp.html
プログラム
プログラム

時間

内容

演者

13:00~

開会セレモニー 

 

13:10~13:50

基調講演

持続可能な食料システムにおける漁業と養殖業の役割

八木 信行(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授) 

 

基調講演

水産食料システムに対する全体論的かつ栄養学的に配慮したアプローチの開発

Shakuntala Haraksingh Thilsted(ワールドフィッシュ 栄養・公衆衛生担当グローバルリード)

13:55~14:40

セッション1:持続可能な食料システムにおける水産養殖の課題

 

 

講演1-1

東南アジアの持続的食料システムにおける漁業・養殖業の課題

宮田 勉(国際農研 水産領域長)

 

 

講演1-2

日本における持続可能な養殖種苗の課題

崎山 一孝(水産研究・教育機構 水産技術研究所生産技術部長)

 

講演1-3

温室効果ガス排出削減のための海藻利用の可能性

Jeffrey T. WRIGHT(タスマニア大学 海洋・南極研究所 准教授)

14:40~15:25

セッション2:漁業・養殖業の持続可能性と生産性を高めるための研究と応用

 

 

講演2-1

熱帯モンスーン域における二枚貝の持続的養殖技術開発

圦本 達也(国際農研 水産領域 主任研究員)

 

 

講演2-2

熱帯地方における栄養不足を改善するための小型在来魚種の増加と利用

森岡 伸介(人間環境大学 環境科学部 教授)

 

講演2-3

ブラックタイガー資源の増殖による零細漁業の改善~マングローブ河口域における地域社会一体型のアプローチ~

Jon P. ALTAMIRANO(東南アジア漁業開発センター 養殖システム・水圏生態科長)

15:35~16:10

パネルディスカッション

 

進行役:Marcy N. Wilder(国際農研 水産領域プロジェクトリーダー)

16:10~16:15

閉会

 

受付期間
- (日本時間)
申込受付
国際農研 情報広報室
住所
茨城県つくば市大わし1-1
電話
029-838-6708
申込締切:
(日本時間)
備考
会場参加の方には、講演要旨集(アブストラクト)を配布いたします。また、Q&Aセッションにも参加していただけます。
動画アーカイブ

Part1: https://youtu.be/wfs-l5xoIsQ

Part2: https://youtu.be/rs_P-n-gQJc

Part3: https://youtu.be/zz9OdVf8xfE

Part4: https://youtu.be/wnAbjK4EKZw

開催報告
JIRCAS国際シンポジウム2022「持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割」開催報告
Proceedings

Artisanal Fisheries and Aquaculture in the Sustainable Food Systems

ポスター
問い合わせ先

国際農研 情報広報室

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