研究成果情報 - ナイジェリア
国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
- ホワイトギニアヤムの早植えはイモの増収を可能にする(2024)
ホワイトギニアヤムのイモ肥大は日長ではなく主に植え付けからの日数に依存するため、雨季開始初期の早植えにより乾季が始まる前にイモ肥大が完了する。これにより、通常よりも早い収穫とイモ収量の増加が見込める。雨季初めの不安定な降雨はイモ収量にほとんど影響しない一方、降雨開始の遅延に対応するために植え付けを遅らせることは、イモ肥大期の降雨停止による収量低下リスクを高める。
- 乾燥サバンナのマメ科作物ではリン鉱石直接施用により化学リン肥料の代替が可能(2024)
西アフリカの乾燥サバンナに広く分布する低肥沃土壌では、安価なリン鉱石粉はササゲ、ラッカセイ、ダイズに対して化学リン肥料と同等の効果があり、代替品として利用できる。特に、ダイズは最も高い施用効果が得られる。また、土壌型プリンソソルでは土壌型リキシソルよりも10%程度増収効果が高い。
- 効率的な遺伝解析及び特性評価を可能にするギニアヤム多様性研究材料の選定(2020)
西アフリカで最も重要な作物の一つであるギニアヤムについて、遺伝解析及び特性評価を容易にし、効率的な育種及び栽培研究を可能とする、遺伝的多様性を保持した多様性研究材料セット102系統を選定した。
- 熱画像を利⽤した葉⾯気孔伝導度の新規指標(2019)
植物体の熱画像から得られる葉面温度を用いて気孔伝導度を推定する指標を開発した。数理モデルにもとづくこの新規指標は従来の指標よりも測定環境の影響を受けにくい。このため、変動環境下での作物の乾燥ストレス耐性や光合成活性の評価に幅広く活用できる。
- SSRマーカーを利⽤したホワイトギニアヤム品種識別技術パッケージ(2019)
西アフリカの育種プログラムや種苗会社が利用するホワイトギニアヤムの品種および遺伝資源・育種系統について、品種・系統間の識別を簡易かつ迅速に行うことができる技術をパッケージ化するとともに、技術の利用支援のためのツールキットを提供する。
- 支柱栽培したヤムイモ地上部バイオマスの非破壊推定(2018)
支柱栽培したヤムイモの地上部バイオマスを非破壊的に推定する簡便・安価な手法を開発した。これにより、ヤムイモの生育調査を大幅に省力化することができるだけでなく、農家圃場における生育診断指標として利用できる。
- アフリカ稲作におけるケイ素欠乏の実態とその要因(2013)
アフリカの農家圃場ではケイ素欠乏値を示すイネが広範にみられ、土壌のケイ酸供給力不足、不安定な水条件をもつ稲作生態系、および窒素施用量の増加を要因として、ケイ素欠乏のリスクが高まる。
- 乾燥耐性カウピー系統の選抜(1995)
西アフリカの半乾燥地帯で、乾期に残留土壌水分のみで栽培でき、ヘクタール当たり1トン近くの子実収量をあげうる系統、茎葉収量が高く家畜飼料として有望な系統等、カウピーの乾燥耐性系統を選抜した。