稲種「FYVARY 32」「FYVARY 85」
「FYVARY 32」及び「FYVARY 85」は、マダガスカルをはじめアフリカの多くの水田稲作で問題となる土壌や肥料からの養分が乏しい環境でも優れた生産性を示す新たな水稲品種であり、国際農研、マダガスカル国立農村開発応用研究センター(FOFIFA)及び国際稲研究所(IRRI)が共同で開発した。
FyVary(「フィヴァリ」と呼ぶ。)は、マダガスカル語で「良いお米」を意味する。
FyVary(「フィヴァリ」と呼ぶ。)は、マダガスカル語で「良いお米」を意味する。
背景・ねらい
マダガスカルは、一人当たりのコメ消費量が日本の2倍以上であり、国民の半数以上が稲作に従事する稲作大国であるが、国民の主食・主業であるイネの生産性が今日まで停滞している。この背景には肥料投入不足とアフリカ特有の風化土壌に起因する乏しい養分環境がある。 そこで、土壌や肥料からの養分が乏しい環境でも優れた生産性を示す新たな水稲品種を、国際農研、マダガスカル国立農村開発応用研究センター(FOFIFA)及び国際稲研究所(IRRI)が共同で開発した。
マダガスカル農業畜産省種子管理委員会によって、マダガスカルの水稲農家へ普及できる可能性が十分に高いと判断されたことから、品種登録に至った。本品種が普及することで、マダガスカルの安定的なイネ生産及び同国の食料安全保障及び貧困削減に貢献することが期待される。
特徴
- FyVary32は、マダガスカルの主力品種であるX265(平均収量3.36 t/ha)に比べて、12%高い収量性(平均収量3.67 t/ha)と4日短い到穂日数(播種日から出穂日までの生育日数)をもつ。
- FyVary85は、マダガスカルの主力品種であるX265(平均収量3.36 t/ha)に比べて、20%高い収量性(平均収量3.97 t/ha)と5日長い到穂日数をもつ。
- マダガスカルの農家への食味試験によって、優れた嗜好性をもつことが確認された。
登録情報
■登録国:マダガスカル共和国
- 農林水産植物の種類
- Oryza sativa L. (稲種)
- 品種名称
- ① FYVARY 32
② FYVARY 85 - 旧系統名
- ー
- 出願番号
(出願日) - ー
(2021/11/4) - 公表日
- ー
- 登録番号
(登録日) - ー
(2021/11/4) - 育成者権の
存続期間の終期 - ー
- 共同育成者
- マダガスカル国立農村開発応用研究センター(FOFIFA)
関連文献
連絡先
〒305-8686 茨城県つくば市大わし1-1
国際農研 企画連携部 企画管理室 知的財産専門職
TEL : 029-838-6389FAX
029-838-6337