平成26年度 第7回 帰国報告会

標記報告会を開催いたしますのでご案内申し上げます。

併せまして、フィリピン国農業省土壌水管理局(BSWM)から招へいしている Samuel Contreras氏による講演も行います。

帰国報告会
主催

国際農林水産業研究センター

開催日
2015年3月26日(木)
講演内容

フィリピン、ルソン島におけるガリー侵食多発と除草剤耐性トウモロコシ普及品種普及との関係 Relationship between frequent gully erosion and herbicide resistant corn variety extension, Luzon Island, Philippines

南雲 不二男 ( 国際農林水産業研究センター 生産環境・畜産領域 )

ルソン島北部のカガヤン川丘陵地帯において、近年ガリーが多発しているという情報を受け、科研 費により「フィリピン、ルソン島におけるガリー侵食多発と除草剤耐性トウモロコシ品種普及との 関係」の研究を実施してきた。最終年度に当たり、研究成果の概要を報告する。除草剤耐性品種の 普及は、2つのプロセス;1) これまで未利用だったマージナルな土地への栽培の拡大、2) 土壌表面 を保護している雑草量の減少、のために、土壌侵食、そしてガリー侵食の多発を引き起こしている と考えられる。また、対象地域の農家は、4回以上の除草剤を散布する場合が多いが、散布頻度を 変えた試験では、2度でも収量が変わらないことを示した。このような農家の不適切な除草剤の多用 も雑草量の減少、それに伴う土壌侵食を引き起こす原因の一つであると考えられる。

フィリピン・カガヤン川沿いガリー侵食多発地帯を対象とするガリー分布の把握と近年の土地利用 変化の解析 Gully Extraction and Associated Land Use Changes for the Site with High Rate of Occurring Gully Erosion along Cagayan River in the Philippines

内田 諭 ( 国際農林水産業研究センター 社会科学領域 )

:フィリピン・ルソン島北部を北流するカガヤン川右岸の丘陵地帯では、広くトウモロコシが作付け られているが、近年ガリー侵食が顕著になったとの報告があった。そこで、ガリー侵食の発生・分 布の状況を空間的に把握するため、衛星データを用いたガリー域抽出手法の開発を試みた。開発に 当たり、現地における土地被覆状況の観察結果、および、フィリピン土壌水管理局(BSWM)による 測量結果を参照した。さらに、多年度にわたる衛星データを用いて森林域の変化を分析し、ガリー 発生との関係について考察を行った。本会では、2014年5月13日に現地で開催したワークショップで の発表内容を基に再構成したものを報告する。

フィリピン、イザベラ州における除草剤抵抗トウモロコシ品種に対する農家の意識 (仮題) Farmers’ Perception on the Use of Herbicide-resistant Corn Variety in Isabela Province, Philippines

Samuel Contreras ( フィリピン国農業省土壌水管理局(BSWM) )

Samuel Contreras氏は、本科研課題、および島嶼プロジェクトの共同研究者であり、招聘による来 日を機会に、標記タイトルでの発表とともに、傾斜地農業における土壌保全を目的として、BSWMが 実施しているプロジェクトに関しても紹介する。

場所

国際農林水産業研究センター研究本館 (2階 国際会議室)

受付期間
問い合わせ先

国際農研 企画調整部 研究支援室 連絡調整科

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