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732. 健康的な食事のコストのグローバルな指標

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732. 健康的な食事のコストのグローバルな指標

3月1日、国連食糧農業機関(FAO)は、健康的な食事のコスト(食品群別のコストも含む)と、健康的な食事を入手できない人口とを国ごとに指標化し公開しました。

2020年時点で健康的な食事をする余裕がない人は31億人にのぼります。2020年に健康的な食事のコストが増加したことを反映し、2019年より1億1,200万人増えました。ラテンアメリカとカリブ海は、他の地域と比較して健康的な食事のコストが最も高く、1人1日あたり3.89ドルです(2020年)。そしてアジア(3.72ドル)、アフリカ(3.46ドル)、北アメリカとヨーロッパ(3.19ドル)、オセアニア(3.07ドル)と続きます。12か国(すべてアフリカの国)では、90%以上の人々がつねに健康的な食事を入手できません。データが存在する53か国で人口の半分以上に同じことが言えます。逆に26カ国ではその数字は1%未満です。

これら一連の指標が、FAOのデータハブで誰でも簡単に表示しダウンロードできるようになりました。FAOSTATは、245を超える国と領土をカバーする約20,000の指標を備えた、食料と農業に関する世界最大のデータプラットフォームです。

健康的な食事のコスト(the cost and affordability of a healthy diet: CoAHD)は現在制度化され、定期的に更新されています。これは、健康的な食事をすべての人々に手頃な価格で提供できるようにするための世界の進捗をはかる新しいベンチマークとなります。このCoAHDイニシアチブは、FAOの2022-31戦略的フレームワークの4つの目標のうち「よりよい栄養」に貢献するものです。このイニシアチブは、FAOが食料・栄養政策について国にアドバイスするためにはエビデンスを生成しなければならないというコミットメントの一部でもあります。 

 

参考文献
FAO. Global indicators on the costs of healthy diets and how many people can’t afford them. March 1, 2023. https://www.fao.org/newsroom/detail/global-indicators-on-the-costs-of-h…  (Accessed on March 6) 

 

関連するページ
Pickup 574. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」:健康な食生活を享受するための食料・農業政策の見直しを
https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20220707

pickup 579. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」キーメッセージ
https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20220714

 

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)
 

 

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