タイ地域野菜データベース

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タイ地域野菜データベースへようこそ!

“Thai Local Vegetables” データベースは、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)をはじめとする共同研究チームの研究成果をまとめた “JIRCAS International Agriculture Series No.17: Thai Local Vegetable” を礎に、2010年にウェブ版として公開されました。このデータベースでは、固有の食文化や食用植物情報が急速に失われつつある東南アジアの現状を背景に、有用食用植物の保全と、現地農産物の付加価値向上を目的として公開されています。特に東南アジアの食文化の中心的役割を担うタイ地域野菜は古の東南アジアの人々が古くからの知恵と経験から自然に自生する植物を野菜として食文化の中に取り込まれています。その豊富な多様性に関する情報は研究活動や利用の場において非常に有用となりますが、公表されている情報は非常に限られています(詳細は “タイ地域野菜について” を参照)。

今回の更新版作製に当たり、データベースにおける植物の分類は、2010年版と同じく、基本的に新エングラー体系に基づいて記述しましたが、一部植物に関しては、科名等改正により修正を加えました。また、機能性や現地利用についての情報の付加や検索機能を追加することで、利便性の向上を図りました。本データベースが多くの皆様にご活用いただけることを楽しみにしています。

タイ地域野菜について ータイ地域野菜の魅力ー

タイは熱帯性気候に恵まれ、生物多様性に富み、長い文化の歴史を持っています。タイの人々は、その長い歴史の中で、自分たちの生活に必要な食用植物を自然から選んできたと考えられており、現在では、野菜、スパイス、ハーブ、調味料、また時には薬としても利用されています。これらの食用地域植物(野菜)の一部は他国にも普及していますが、そのほとんどは世界の他の地域ではあまり知られていません。また、現在までのところ、タイの食用地域植物に関する情報は非常に限られています。その理由の一つはタイの食用植物研究上でその同定や分類が混乱していることにあります。例えば、同じ植物でも地域によって異なる名称で呼ばれていたり、別の植物が同じ名前で呼ばれていたり(ある地方の方言での植物名は、他の方言では別の植物に対応する、など)、現地の人が混同して複数の植物種に同じ名前を付けてしまう事もあります。一方で、世界では多くの野生植物種が年々絶滅の一途を辿っています。タイの食用地域植物、特に栽培化されていない植物の中には近年では探すことが非常に困難になってきているものも少なくありません。これらから、早急にタイ国内の食用植物を一定の分類体系に基づいて記録・整理・分類する必要がありました。これらの食用地域植物は、栄養的側面や風味付けの食品としての利用だけでなく、健康維持や健康増進にも利用されており、例えば、癌や心血管疾患などに対する化学的予防効果は動物実験だけでなく多くの疫学研究によっても明らかにされています。

国立研究開発法人国際農学研究センター(JIRCAS)、カセサート大学食品研究所(IFRPD)、世界野菜センター(AVRDC)東・東南アジア地域事務所、および国立研究開発法人食品研究所の共同研究チームは、タイの食用植物に含まれる機能性成分を特定することで地域植物の付加価値を向上させる取り組みやその機能を応用した有効な製品の開発も実施しています。

私たちは、ここに提供するタイの地域野菜に関するデータベースや研究プロジェクトの成果が、現地の農林水産業に貢献し、世界の人々に安全で健康的な食料を提供できると期待しています。

著作権および利用上の注意点について

タイ地域野菜データベースの著作権は、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)及びタイカセサート大学食品研究所(IFRPD)が所有しています。
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