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47. 新型コロナウイルス・パンデミック -国連:統計からみるCOVID-19による世界変化

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界をひっくり返すほどの衝撃をもたらしています。生活の在り方、仕事・コミュニケーションの仕方、移動の手段を含め、人々の生き方のあらゆる側面が影響を受けています。ロックダウンに置かれながらも、世界中の政府・感染症専門家・学校関係者・企業家・一般市民が、感染せず・感染させずに活動を再開していくため、また生活手段を失ったり愛する人々を失うなど最も影響を受けた数百万の人々を支え、既に深刻な状況にある格差を悪化させないために、今後の計画をたてているところです。今から数か月間になされる意思決定は、数世代にわたり最も重要なものとなるでしょう。政府は最良の情報に基づいて政策決定をする必要があります。

36の国連機関・国際組織をメンバーとする統計業務統括委員会 (the Committee for the Coordination of Statistical Activities: CCSA)は、「COVID-19は世界をどう変えているか:統計的視点(. How COVID-19 is changing the world: a statistical perspective)」を発表しました。報告書は、数か月前には予想だにもしなかったCOVID-19の経済的・社会的インパクトや地域的なトレンドのハイライトを示しています。

経済指数の中でも衝撃的なものは、世界的な生産・工業産出高の年率9%下落、2020年第二四半期の世界貿易27%下落。2020年2-3月期の世界商品価格マイナス20.4%記録、などの数字が挙げられます。社会的には、全労働時間が10.5%下落し3.05憶人分のフルタイム雇用に相当する雇用が失われ、16億人の学生が学校閉鎖の影響を受け、4000-6000万人が新たに絶対的貧困に陥るだろうとされています。

 

報告書はほかにも、経済的インパクト(銀行セクター・航空業界・労働状況・貿易と商品市場・工業生産・観光業など)・社会的インパクト(農業需給リスク・移民・ICTs・人権・貧困・教育・ジェンダーなど)・地域的インパクトの統計情報(2020年5月15日)を紹介しています。本報告書で紹介される統計は氷山の一角であり、読者は各国際機関のウェブサイトを訪問されることをおすすめします。

 

参考文献

CCSA. How COVID-19 is changing the world: a statistical perspective. https://unstats.un.org/unsd/ccsa/documents/covid19-report-ccsa.pdf

UN. Data tells the story on how COVID-19 is changing the world, 15 May 2020, New York https://www.un.org/development/desa/en/news/statistics/data-tells-the-story-on-how-covid-19-is-changing-the-world.html

 

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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