電解水を用いた豆腐原料大豆の微生物制御技術

国名
中国
要約

大豆浸漬水として酸性電解水、又は、混合電解水を用いることにより、豆乳や豆腐の品質を損なうことなく、大豆由来の微生物を効果的に殺菌することが可能となる。

背景・ねらい

   加工食品において問題となる微生物の由来は、原材料に由来するものと加工過程由来の二次汚染に大別される。一般的に微生物汚染を押さえるためには、製品の殺菌も有効であるが、原料の初発菌数を低く押さえることが最も重要であると考えられている。
   中国などアジア地域では、豆腐等多くの大豆加工食品が伝統的に生産・消費されているが、原料大豆表面に付着している耐熱性芽胞のため、長期保存に耐えられない。そこで大豆加工における初発菌数の制御のため、工程初期の浸漬工程に対し、安全・簡便・効率的殺菌水として近年急速に普及しつつある電解水の効果を明らかにする。

成果の内容・特徴

   0.075%食塩水を電気分解して得られる強酸性電解水、強アルカリ性電解水、これらを混合して得られる混合(弱酸性)電解水を調製(表1)し、大豆浸漬水としてこれら3 種の電解水を用い、滅菌蒸留水をコントロールに調べた殺菌効果は以下のとおりである。

  1. 大豆由来の微生物は、酸性電解水を用いた場合には浸漬後30 分、混合電解水を用いた場合でも浸漬後約1 時間で殆ど消滅する(図1)。
  2. 電解水浸漬後、得られる豆乳や豆腐の物理的性質はコントロールと変わらない(表2)。
  3. 以上の結果から、酸性電解水と混合電解水が、豆乳及び豆腐加工のための浸漬水として有用である。

成果の活用面・留意点

   本成果は、浸漬工程のある食品製造の微生物制御技術として有用である。ただし、電解水は極めて不安定であるため、使用の都度調製するなどの注意が必要がある。また、電解水が有機物質に触れると急速にその活性を失うことから、汚れの状態に応じて、予備洗浄などを併用させるのが望ましい。
   なお、日本で強酸性電解水を洗浄除菌に用いる場合、有効塩素濃度20 ~ 60ppm として、食品添加物としての利用が認められる方向である点に留意する必要がある。

具体的データ

  1.  

    表1 試験水の物理化学的特性
  2.  

    図1 浸漬大豆の微生物数経時変化
  3.  

    表2  電解水浸漬による大豆・豆乳・豆腐への影響(n=4)
Affiliation

国際農研 食料利用部

中国農業大学

分類

研究

予算区分
国際プロ〔中国食料資源〕
研究課題

澱粉/ 蛋白素材及び食品素材の保全流通技術の開発

研究期間

2001 年度(1997 ~ 2003 年度)

研究担当者

辰巳 英三 ( 食料利用部 )

斎藤 昌義 ( 食料利用部 )

朝輝 ( 中国農業大学 )

再貴 ( 中国農業大学日中食品研究中心 )

里特 ( 中国農業大学 )

ほか
発表論文等

Zhao, Z., Saito, M., Yoshihashi, T., Nakahara, K., and Tatsumi, E. (2001) : Microorganism control in packed tofu manufacture with electrolyzed water. JIRCAS Journal.

Microorganism Control in Packed Tofu Manufacture with Electrolyzed Water

日本語PDF

2001_16_A3_ja.pdf813.62 KB

English PDF

2001_13_A4_en.pdf50.73 KB

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