マレイシアにおける反芻家畜用尿素糖蜜ブロックの組成および製造方法
マレイシアにおける農業副産物の飼料化の方法の1つとして、反芻家畜用の補助飼料として利用可能な尿素糖蜜ブロックの組成および製造方法を開発した。
背景・ねらい
マレイシアは飼料への転換の可能性のある農業副産物を保持するにも関わらず、その処理・加工及び流通技術が確立されていないために、輸入飼料への依存度が高く、これら農業副産物の飼料化技術の確立が急務とされていた。当国の農業副産物の一つである糖蜜を利用した尿素糖蜜ブロック(UMB)は、流通及び給与作業の容易さ等の点で、農業副産物の飼料化の方法の一つとして有望視されていた。そこで、マレイシアにおける国産UMBの半商業生産を目指して反芻家畜用の補助飼料として利用可能なUMBの組成と製造方法の開発を行った。
成果の内容・特徴
- 合計約50種類の組成のUMBを試作し、混合度合い、硬化速度、家畜における嗜好性の検討を行い、組成割合の最適範囲を明らかにした(図1)。
- マレイシア農業開発研究所内に約100平方メートルの建物を建設し、材料の搬送及び自動計量システム、カッターミキサー、垂直2軸公転自転型混合機、水平1軸型混合機等の製造機械を設置し、同時に製造手順を確立した(図2)。
- 上記1、2の手順でUMBを大量に試作し、マレイシア農業開発研究所内或いは農家の反芻家畜に給与して、体重あるいは乳量に及ぼすUMBの給与効果を判定したところ、いずれも良好な結果が得られた(図3、4)。
成果の活用面・留意点
- 本課題で開発されたUMBの組成と製造方法は、マレイシアおよび日本で特許申請を行った。
- この技術は、JICA技術協力プロジェクト「マレイシア未利用資源飼料化計画」に取り入れられる予定である。
具体的データ
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ホルスタイン×サヒワール雑種乳牛:4頭/処理
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ドーセット×マリン雑種:8頭/処理
- Affiliation
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国際農研 畜産草地部
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マレーシア農業研究開発研究所
- 分類
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行政
- 予算区分
- 経常
- 研究課題
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熱帯における繊維性未利用資源の栄養評価
- 研究期間
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1995年度(1993~1995年度)
- 研究担当者
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押部 明徳 ( 畜産草地部 )
ZAHARI M. WAN ( マレーシア農業研究開発研究所 )
- ほか
- 発表論文等
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Wan, Zahari, M., OSHIBE, M. and S., Nor, Ismail. (1994) Effect of supplementing ureamolasses via mineral blocks and liquid feeder in growing sheep fed low quality roughage. Proceeding of the 7th AAAP Animal Science Congress. Vol.Ⅲ, P77-78.
F.M.Abdullah, M. Wan Zahari, A. Oshibe and M.S. Nor Ismail (1995) Effect of supplementing urea molasses block on ewe-lamb production under integrated oil palm system. Proc.17th MSAP Ann. Conf.1995, 28-30 May 1995, Penang. 191-192.
- 日本語PDF
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1995_10_A3_ja.pdf1.25 MB