中日共同による耐冷耐病良質多収水稲新品種の育成

Tropical agriculture research series : proceedings of a symposium on tropical agriculture researches
ISSN 03889386
書誌レコードID(総合目録DB) AA00870529
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雲南省のイネ作付面積は107万haで1984-1986年の水稲単収はha当り4.4tであった。雲南の気象条件と品種は垂直に変化している。本プロジェクトでは標高1500~2000m範囲の水稲生産地帯(粳稲の主要生産地帯)に適した品種を育成することを目標にしている。標高1500~ 1800m地帯は籼梗交叉栽培地帯であるが60年代からは主に品質が比較的良い穂数型粳稲品種を栽培するようになった。この地帯の水稲生産上の主要な問題はいもち病による被害である。標高1800~2000m地帯は高原粳稲生産地帯である。水稲品種は穂重型或は中間型が多いが冷害といもち病が生産を制御する主要な要因である。その他に品種の多収性と品質の向上も当面の課題の一つである。以上の両地帯は気象条件とそれぞれ応じた育種目標が異なるため,昆明と宜良両地で実験を行った。耐冷,良質,多収を共通の目標にしながら,中北部では耐冷性をそして中部では耐肥性と多収性を最も重要視した。中日品種の種々の種類を参考にしたうえで中間型を多収育種の収量構成モデルに設定した。品種育成に当っては形質検定を行った品種を交雑親として利用した。そして,交雑世代についても形質検定を行いながら選抜する方法を取り,選抜の効果を高めようとした。現在一部系統は基本的に現段階の育種目標に到達している。本文では強度耐冷性,耐病性遺伝資源の利用及び耐冷,耐病,良質,多収等の遺伝子収集などについても言及する。
中日両国政府内協定により中国雲南省農業科学院と日本熱帯農業研究センターが中心になって“遺伝資源利用による水稲耐冷耐病多収性品種の育成に関する中日共同研究”を実施することになった。
本研究は1983年から始まり以来現在一部系統はF9代までなっている。一部育成系統は1986年から地域適応性試験と生産性試験段階にはいった。
刊行年月日
作成者 蒋 志農 その他
公開者 Japan International Research Center for Agricultural Sciences
21
開始ページ 34
終了ページ 39
言語 jpn

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