国際科学諮問委員会(第6回)開催

 

令和3年5月の「みどりの食料システム戦略」の策定を踏まえ、農林水産省は気候変動緩和や持続的農業の実現に資する技術のアジアモンスーン地域での実装を促進するため、令和4年度から「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始し、国際農研が同事業を「グリーンアジア(プロジェクトの略称)」として実施しています。


第6回目となる国際科学諮問委員会は令和7年3月14日にオンラインで開催しました。冒頭、小山理事長と信夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官から開会挨拶があり、その中で信夫総務官からは、プロジェクトで作成・公表している技術カタログの掲載技術が「ASEAN作物残渣焼却削減ガイドライン」に掲載されていること等が述べられました。

その後、諮問委員会事務局(国際農研)が、第5回国際科学諮問委員会(令和6年10月3日)における委員からのコメントへの回答を行うとともに、これまでの主な活動の成果について報告しました。上記の内容に関し諮問委員は、半年間という僅かな時間に多くが実施されたことを評価しつつ、

  • 示された実証試験結果のデータの振れについては、他地域に技術を適用する際に留意すべきこと、
  • 技術カタログ掲載技術を農業生態地域に応じてマッピングすることは民間ビジネスのプランへの接続の観点から有意義であること、

等のコメントを述べられました。

さらに、グリーンアジアにおける研究活動を進める中で生じた課題についての議論及び全体的議論が行われ、諮問委員からは、

  • 補助金やファイナンス等の支援措置、規制、マーケットニーズ等にも留意した社会科学的アプローチの採用、
  • 様々な段階でのリスクを考慮した費用便益分析の重要性、
  • 個々の技術間の相乗効果に資する技術のパッケージ化、
  • 民間企業の参入に関し、官民連携、クラスター形成等を通じたスタートアップ支援の重要性、
  • 本事業における実施技術のデータベースの有益性、

等に関するコメントや助言をいただきました。
 

 

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