国際科学諮問委員会(第1回)開催
国際農研は、我が国発の農林水産分野の技術のアジアモンスーン地域での応用促進を目指す、農林水産省「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」(注1)の実施機関として、長年の農林水産業分野での国際共同研究経験を生かし、グリーンアジアプロジェクトの名のもとに、令和4年度から様々な活動を開始しています。
このプロジェクトでは、我が国の有望な基盤農業技術の収集・分析を行い、アジアモンスーン地域で共有できる技術情報を発信するとともに、国立研究開発法人が有する国際的ネットワークを活用し、アジアモンスーン地域の各地で応用のための共同研究を実施する計画です。
これらの活動への助言を得るため、アジアモンスーン地域の研究機関の長や、持続的農業等に関する著名な科学者等で構成する「みどりの国際科学諮問委員会」(The International Scientific Advisory Board for Strategy "MeaDRI")の第1回会合が、令和4年10月25日、東京で開催されました。
小川農林水産審議官の開会挨拶後、農林水産省がみどりの食料システム戦略(注2)の概要を、国際農研が本プロジェクトの背景と概要を説明しました。委員からは、研究成果情報の収集・分析・発信や応用研究など、プロジェクトへの取り組み方について、専門的な見地からご意見をいただきました。
アジアモンスーン地域は、高温多湿、稲作を主体とした農業、中小規模の農業者の割合が高いといった我が国と共通の特徴を有することから、我が国の食料システムを変革するために開発された技術やアイディアの中には同地域にも適応可能なものが多いと期待されます。今後、国際科学諮問委員会における委員からの助言やコメントを踏まえつつ、国際連携の体制整備、情報発信、及び国際農研やその他国内の研究機関の持つネットワークを活用した共同研究を進める予定です。また、これらを通じ、同地域へ応用可能な農業技術の適用を加速させ、アジアモンスーン地域の食料システムの変革に貢献してまいります。
(注1)https://www.affrc.maff.go.jp/kokusaikenkyu/asia-monsoon.html