国際科学諮問委員会

2022.10.21

諮問委員会の概要

国際科学諮問委員会は、著名な科学者や有力研究機関の長等、多様なメンバーを有する、独立した助言機関です。レポートなどグリーンアジアプロジェクトの活動で生み出される様々な成果物の内容を向上させるため、同諮問委員会は助言を与えます。それにより、アジアモンスーン地域の食料システムの変革を促進します。

諮問委員

Mohamad Zabawi bin Abdul Ghani(マレーシア農業研究・開発研究所所長、マレーシア)

マレーシア農業研究・開発研究所(MARDI)所長。英国レディング大学で熱帯農業の修士号および水ストレス生理学の博士号を取得。土壌科学(土壌保全)、農業生態学的ゾーニング、気候変動、グリーンテクノロジー、水ストレス生理学の分野で30年以上の研究実績を有する。マレーシアの気候変動に関する数多くの技術委員会やタスクフォースのメンバーを歴任。国家レベルだけでなく、地域・国際的にも、気候変動(脆弱性と適応)、グリーンテクノロジー、バイオマスエネルギーを積極的に推進。研究者として、環境問題や作物のパフォーマンスに関する論文を国内外の雑誌に掲載している。前職では、MARDIの農業生物多様性・環境研究センターのディレクターとして、マレーシアの持続可能な農業を確保するための様々なグリーン技術や気候変動に関するガイドライン作成を推進した。2021年にMARDI所長に任命され、マレーシアにおける食料生産性の持続性向上に向けた農業研究開発をリードする大きな役割を担う。

 

Jean Balié(国際農業研究協議グループ(CGIAR)貧困削減・生計・雇用プラットフォームディレクター)

CGIAR貧困削減・生計・雇用プラットフォームのディレクター。以前は国際稲研究所(IRRI)所長、およびCGIAR東南アジア・太平洋地域担当ディレクターを務めた。20年以上にわたり、農業、食料、農村開発のための政策策定においてリーダーシップの経験と専門知識を有する。最近では、CGIAR新型コロナハブ(COVID-19 Hub)の「食料システム脆弱性対処と復興」ワーキンググループの一員を務めた。IRRI所長としては、グローバルな戦略的方向性を定め、IRRI理事会の方針と決定に従って業務を管理している。2018年に農業食料政策プラットフォームの責任者としてIRRIに加わり、所長に就任する前は、研究部長-外部関与および研究担当副所長を務めた。IRRI着任以前は、国連食糧農業機関(FAO)で政策担当官、上級エコノミスト、グローバル・プログラム・マネージャーとして勤務。ドイツのゲッティンゲン大学で農業経済学の博士号を取得。モンペリエ・シュプアグロ(SupAgro)、トゥールーズ国立高等農業学校(ENSAT)、国際地中海農学高等研究所(CIHEAM)で修士号を取得。

 

Joachim von Braun(ボン大学開発研究センター教授、ドイツ)

ボン大学開発研究センター (ZEF) の経済的および技術的変化の特別教授。 研究対象は、経済開発、科学技術政策、貧困削減、食料と栄養の安全保障、農業、資源経済学、気候、および貿易に関するもの。 また、バチカンの教皇庁科学アカデミーの会長をはじめ、さまざまな科学アカデミーのメンバー。 2020年から2021年にかけて、国連食料システムサミット 2021 の科学グループの議長を務めた。 NGO Welthungerhilfe の副会長であり、ワシントン DC に本拠を置く国際食料政策研究所 (IFPRI) の元所長。国際農業経済学会 (IAAE) の会長に選出され、国内外の賞を受賞している。

 

Fadjry Djufry(インドネシア農業標準化庁 (BSIP) 長官、インドネシア)

2022 年の農業省令により農業省(MoA)のインドネシア農業標準化庁(BSIP)(旧:インドネシア農業研究開発庁(IAARD))長官に任命された。BSIP は、インドネシアの農業部門における標準化を支援する農業省管轄の新しい組織である。 2022年1月25日、インドネシアにおける第630代国立研究教授及び第159第農業省研究教授に就任した。研究教授の講演の演題は、「持続可能な近代的農業に向けた適応栽培技術に基づく革新的な気候スマート農業の開発」であった。教授就任後はIAARD長官代理も務める。これまで、ICECRDのディレクター(2015-2019)、南スラウェシAIAT(インドネシア農業技術評価研究所)の所長(2012-2015)、パプアIAIT所長(2008-2012)としての顕著なキャリアを有する。さらに、マカッサル・イスラム大学(2012-2015)、マカッサル・ハサヌディン大学(2012-2015)、バンジャルマシン・ランブン・マンクラット大学(2005-2007)にて大学院講師を務めた。1993年にマカッサル・ハサヌディン大学にて農学を専攻し、学士号を取得。ボゴール農科大学で農業気候学と植物モデリングを研究し、2000年に修士号、2005年に博士号を取得。

 

Shenggen Fan(中国農業大学経済政策学部教授、中国)

中国農業大学(CAU)経済政策学部(AGFEP)の主任教授と学部長を務める。CAU着任以前、2009年から2019年まで国際食料政策研究所(IFPRI)の所長を務めた。現在は、CGIARシステム理事会メンバー、国際食料政策研究所(IFPRI)副理事、国際稲研究所(IRRI)副理事を務める。また、世界食糧賞財団の諮問委員会メンバー、EAT-Lancet委員会メンバー。農業応用経済学会(AAEA)のフェロー、国際農業経済学会(IAAE)の終身名誉会員でもある。ミネソタ大学で応用経済学の博士号を、中国・南京農業大学で学士号と修士号を取得。

 

Jacqueline d’Arros Hughes(国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)所長、インド)

インドのハイデラバードにある国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)所長。ウイルス学者として英国、ガーナで勤務した後、ナイジェリアの国際熱帯農業研究所(IITA)、台湾の世界蔬菜センター、国際稲研究所(IRRI)を経て、ICRISATに移籍。植物衛生、疫学、ジェンダー平等、栄養、リモートセンシング/デジタル農業に強い関心を持ち、幅広い出版実績がある。

 

Phisamai Srichayet(カセサート大学食品製品開発研究所所長、タイ)

カセサート大学(バンケンキャンパス)の食品研究製品開発研究所(IFRPD)所長。IFRPDの食品加工・保存学部の専門研究員を兼任。シラパコーン大学で食品工学の修士号と学士号を、カセサート大学で食品科学の博士号を取得。専門は、熱処理、果物・野菜加工技術、飲料技術、製品開発。そのため、飲料、ジャム、ソース、フルーツ缶詰、保存フルーツなど、フルーツや野菜の付加価値製品について主に研究。さらに、民間部門や中小企業(SMEs)での勤務経験もある。これらの実績から、人々が小規模なビジネスを通じ自ら食品の生産・販売を可能にする食品加工に関する知識を移転することを主たる業務としている。

オーガナイザー

小山 修(国際農研理事長、日本)

国際農林水産業研究センター(国際農研)理事長。東京大学教養学部卒業。農林水産省勤務(1979年入省)を経て、国連食糧農業機関(FAO)(1986-93)と国際農研(1993-)で国際的な食料事情の計量経済分析に従事。2002年から研究戦略の策定も併せて担当。2015年理事、2021年から現職。