技術普及活動への動機づけ調査(課題4)
技術普及活動への動機づけ調査(課題4)
SATREPSマダガスカルプロ課題4「稲作技術の普及要因の解明とインパクト評価」に参画する山梨英和大学の佐柳准教授が、技術普及活動への動機づけ調査のため、2月下旬から3月初旬にかけてマダガスカルに出張しました。
今回の調査では、稲作技術普及が行われているJICAプロジェクトPaprizの中でも、普及実績が芳しくないと思われるサイトを選んで聞き取り調査を行いました。調査の目的は大きく次の2つでした。1)普及実績が芳しくない原因の考察、2)プロジェクト参加動機づけと基本的心理欲求充足度の定量的尺度の改良。普及実績については、前回(2019年8-9月)の調査と同様、記録の誤りによるサイトも確認されましたが、指導的農家が十分に技術を理解していないケース、指導において求められている要件(指導回数や指導内容)を理解していないケースも確認されました。定量的尺度については、これまでにも過去5度の調査で改良を重ねてきました。前回の調査では、それまで課題だった個人差を検知する方法を見いだし、今回の調査でも個人差が十分に検知できました。このことから、方法論としては妥当であるとの確信が高まりました。動機づけ尺度については、前回の調査で実用可能になったと思われましたが、今回の調査データを分析したことろ、同じ尺度内容でも前回調査で十分な内的整合性を示していた下位尺度の内的整合性が低くなりました。原因については今後の詳細な分析を通して検討します。一方、欲求充足度の尺度は、尺度内容を大幅に刷新して実施したところ、実用化の目処がつきました。