国際科学諮問委員会(第8回)開催
令和3年5月の「みどりの食料システム戦略(みどり戦略)」の策定を踏まえ、農林水産省は気候変動緩和や持続的農業の実現に資する技術のアジアモンスーン地域での実装を促進するため、令和4年度から「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始し、国際農研が同事業を「グリーンアジア(プロジェクトの略称)」として実施してきました。
プロジェクト第1フェーズの終了を控えた令和8年3月12日、第8回目となる国際科学諮問委員会がオンラインにて開催されました。冒頭、小山理事長から開会挨拶があり、グリーンアジアにおいては科学・政策インターフェースが最も重要な要素の一つであったことが述べられました。続いて佐藤農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官から挨拶があり、これまでの諮問委員の意見を踏まえ、次期ではグローバルサウス地域へ対象を拡大することが報告されました。
セッション1では、諮問委員会事務局(国際農研)が第7回諮問委員会を振り返るとともに、情報発信の活動の最終成果を報告しました。また実証研究課題の代表者も、最終成果の報告を行いました。これに対して諮問委員からは、
- 技術カタログは大変良い成果で、有用である、
- 実証試験は技術面のみでなく、経済的分析がなされたのは良かった、
- 技術導入を成功させるには、民間セクターの関与が必要である、
- 次期では技術カタログの対象にポストハーベストの技術を含めるなど、対象範囲を拡大すると良い、
- AWDのガイドラインは大変良いが、スケールアップする上で農業者がこれをフォローできるようにしていく必要がある、
- BNIについては、肥料流通が止まり、価格が高騰している現在の地政学的不安定性を鑑みれば、大変有用である、
等のコメントがありました。
セッション2では、諮問委員会事務局(国際農研)が次期プロジェクトであるグリーンアジア+について概要を説明するとともに、前回の諮問委員会で出された今後の活動内容に関する諮問委員のコメントに対し、回答しました。それに対し諮問委員からは、
- プロジェクトの最初から民間セクターと連携するべき、
- 政策協調が重要で、各国の財務省や技術関係省庁が同じ方向を向いている必要があり、こうした事にも対応すべき、
- GHG排出の低減は一つの目的ではあるが、食料安全保障が問題となっている国ではジェンダーや栄養等も考慮すべき、
- グリーンアジア+の「+」とは何かを今後明確化していく必要がある、
- ソーシャルメディア等を活用して、技術カタログのダウンロード数を現行の1万回から100万回等に増やせないか、
- 当初から地方政府と連携するべき、
等のコメントがありました。
閉会のセッションでは、各委員やオブザーバーに第1フェーズの4年間を振り返っていただきました。プロジェクトの活動を評価するとともに、次期への期待や激励を示す多くのコメントをいただき、諮問委員会を終了しました。