リン欠乏水田での連続少量施肥技術の効果を実証!

国際誌European Journal of Agronomyにオンライン掲載されました

課題3「施肥と育種素材を統合した養分利用に優れた局所管理技術の開発」に参画する辻本研究代表らの論文が、国際誌European Journal of Agronomyにオンライン掲載されました。

 

"Sequential micro-dose fertilization strategies for rice production: Improved fertilizer use efficiencies and yields on P-deficient lowlands in the tropical highlands"

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1161030121001520

本論文では、マダガスカルの農家圃場を対象に、苗代少量施肥とリンを加えた泥を苗の根に絡ませてから移植するP-dippingとを組み合わることで、両者の効果が相加的に働き、少ない肥料でも効率的に水稲収量を増加させられること、生育日数を短縮して低温ストレスの回避に繋がることを明らかにしました。苗代少量施肥やP-dippingなどの局所施肥の効果は、多くの研究で検証されていますが、これらを組み合わせることで、リン欠乏水田での収量向上と生育日数の短縮に相加的に働くことを初めて示しました。本成果は、リン欠乏土壌が広く分布し、農家の肥料投入力も乏しいアフリカのイネ生産性向上の具体策としてのみならず、環境負荷や資源の枯渇が懸念されるリン肥料の有効活用にもつながることが期待できます。


 

試験圃場の様子

苗代少量施肥の様子

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