ブルキナファソ産リン鉱石、持続的農業への選択肢

SORGHO Brahima リン酸利用公社、所長

農業は、GDPの形成(2016年には約30%)、食料安全保障の達成、および貧困の撲滅への貢献という観点から、ブルキナファソ経済に重要な役割を果たしています。ブルキナファソでは、農地は約900万 haと推定されており、その内、毎年乾季を含めて約410万ha(46%)で作付が行われています。そして、作付面積の88%以上を占める食用穀物を主体とした自給自足生産である事が特徴で、その作付面積は平均約3~5 haの家族型農業です。

ブルキナファソでは、気候変動、低い土壌肥沃度、干ばつの持続、少ない化学肥料の施用量が、収量と農業生産を制限する原因となっています。綿花部門では、毎年その生産に必要な化学肥料を生産者に供給する仕組みができていますが、その他の部門では、化学肥料の供給と流通の仕組みが弱いことが指摘されています。ブルキナファソで利用されている肥料の約60%は綿花の生産向けであり、残りの40%のみが野菜栽培と穀物の生産に向けられています(World Bank、2016年)。しかし、全体として化学肥料の施用量は低く、耕作地1 ha当たり平均15 kgのNPKと尿素が利用されているにすぎません(FAOSTAT、2015年作期データ)。しかし、2008年の食糧危機の後、政府、生産者団体、および、技術支援セクターと金融セクターは、土壌肥沃度の統合的管理の枠組み、具体的には化学肥料へのアクセスを容易にするために農村地域を支援し、食料安全保障と生産者の生活と収入を改善することを目指しています。

政府は、生産の集約化のための化学肥料の重要性とその供給の困難さを認識し、クペラ(Centre-Est州、Kouritenga県)にリン鉱石を利用した肥料生産工場を建設することを計画しており、これは国家経済社会開発計画(PNDES)の第3の方針「経済と雇用促進に資する有望なセクターを活性化させる」にかなうものです。この工場は、コジャリ加工工場、ディアパガリン鉱石粉砕工場、ファダングルマのセールスセンターの建設を通じて、徐々に実施されるリン酸利用公社の開発プロジェクトチェーン(写真1)のかなめとなるものです。

2020年9月現在、クペラの肥料ブレンディング工場は、約50%まで建設が進んでおり、管理棟、分析室、管理作業室などのインフラはほぼ完成段階にあります(写真2、3)。

農業分野において、ブルキナファソ政府は、リン酸利用公社が産業チェーンを構築する活動の中で、ブルキナファソ産リン鉱石の活用を実現するため日本の専門的知見の技術移転が行われることを期待しています。それは、環境農業研究所(INERA)カンボワンゼ支所において、SATREPS プロジェクト(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の一環の中で、日本とブルキナファソ研究者がブルキナファソ産リン鉱石について実施している研究の成果の活用として実現することでしょう。また、工業チェーン内のさまざまな設備設置に対する財政的支援について今後話し合われることになるでしょう。

Sorgho Brahima、SEPB所長

写真1 リン酸利用公社による工業チェーン

写真2 分析室

写真3 管理作業室