課題３「施肥と育種素材を統合した養分利用に優れた局所管理技術の開発」に参画するOo特別研究員らの論文が、Scientific Reportsにオンライン掲載されました。

https://www.nature.com/articles/s41598-020-68977-1

本論文では、リン肥料と水田土壌を混合した泥状の液体に苗を浸してから移植するリン浸漬処理技術（P-dipping）を施すことで、通常の全層施肥では効果が全くみられないようなリン吸着能の極めて高い土壌でもイネ生育を大きく改善できることを明らかにしました。P-dippingを施すことで、株直下にイネが吸収しやすい可溶性リン濃度の高いホットスポットが形成され、そのスポットに優先的に根が発達することで、リン吸着能の高い土壌でもイネのリン吸収が促進されていることが分かりました。熱帯には非晶質の鉄やアルミニウムを多く含むリン吸着能の高い風化土壌が広く存在するため、こうした土壌での施肥効率およびイネ収量の改善に貢献することが期待できます。