オイルパーム粕等の飼料化

マレイシアのオイルバームは180万haもの栽培面積を有しているが、これは約25年毎に更新され、その際切り倒された廃材は全く利用されていない。1990年代後半にはこの老樹幹の乾物廃棄量は年間700万トンに達することが予想されている。オイルバームの幹は建材には不適であり、しかもセルロース含量も比較的低いことからバルプ材としての可能性も少ない。そのため有効利用の方法として反芻家畜用飼料としての可能性を検討した。
オイルバームの幹は茎葉と比べて、リグニン含量が低く、可溶性糖含量も高い。また蒸煮またはアルカリ処理した場合のin vitro消化率が高く、反芻家畜用飼料としての可能性が高いことがうかがえた。次に幹の消化率改善の方法をin vivo で検討した結果、蒸煮処理の消化率が最も高く次いでアルカリ処理、サイレージ処理、未処理、稲薬の順であった。最適蒸煮条件は水分含量30%で12.5気圧·7分程度、最適アルカリ処理条件はNaOH含量が乾物の7%程度で適当と判断された。また幹を維管束組織と柔組織に分離して消化率を調査した結果、柔組織は未処理のままでもエネルギー源として十分飼料として使えることが明らかとなった。最後に去勢牛に8ヵ月間、オイルバーム幹(OPT)サイレージ、NaOH処理OPT、稲薬を各々30%含有した各飼料を自由摂取させ、増体重、摂取量、さらに内臓、体構成などについても調査した結果、オイルバーム幹はエネルギー源としても稲薬と遜色なく、長期給与した場合でも内臓諸器官になんら悪影響を及ぼさなかった。
以上の試験結果から、オイルバーム幹は未処理の場合でも稲薬と同程度の栄養価を有し、適当な物理化学処理を加えることによって通常の熱帯牧草以上の消化率をもつ反芻家畜用粗飼料として有効に利用できることが明らかとなった。
課題No.
p0046
事業実施:開始年
1987
事業実施:終了年
1989
対象国