熱帯低湿地の植生と土壌特性の解明

環境資源利用部が当センターに発足(昭和63年度)すると同時に、環境資源プロジェクトとして、「熱帯低湿地の植生と土壌特性の解明」が5年間の予定で開始された。世界の農用地拡大の可能性のある地域として、東南アジアの沿海に分布する泥炭湿地林及びマングローブ林堆積下にある低湿地がある。東南アジアにおけるこれら低湿地の面積は約2,500万へクタールであり、このうち2,000万ヘクタールの泥炭地は世界の熱帯圏に分布する泥炭地のほぼ80%に相当する。しかし、低湿地の農業利用は排水が困難であること、地耐力が極めて小さいこと、作物の生育に対して土壌の理化学性に欠陥があること、等のために、低・未利用の状態にあり、限界農業地を形成している。
低湿地を構成している土壤は泥炭土壤と酸性硫酸塩土壌が主要なものであり、その自然植生もそれぞれ特徴のあるものと考えられる。この研究では低湿地の開発が自然環境に与える影響を考慮しつつ、これら地帯における永続的再生産を可能にする農業開発・利用のための研究が行われている。
村尾重信·村山重俊(昭和60年)は、「熱帯低湿地における農地化技術の開発」を課題として、マレイシア国において3週間の短期調査を行った。
その後、本研究のプロジェクト化の検討が続けられ、環境資源利用部の発足に伴い、研究課題が前記のように「熱帯低湿地の植生と土壌特性の解明」に生まれ変わって課題化された。この課題の変更には熱帯低湿地について、開発一辺倒の立場からの研究ではなく、環境資源の評価と環境を破壊しない合理的利用のための研究という考えが反映されている。
課題No.
p0030
事業実施:開始年
1988
事業実施:終了年
1993
対象国
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