ダイズ「JFNC1」「JFNC2」
「JFNC 1」「JFNC 2」は、パラグアイのNikkei-Cetapar農業試験場と共同育成した、パラグアイに適応したダイズさび病抵抗性大豆品種である。
パラグアイに適応した大豆品種に国際農研の遺伝子集積系統をドナー系統としてさび病高度抵抗性を付与する形で共同で育成し、2018年1月15日、パラグアイ国立植物・種子品質・防疫事業団(SENAVE)において、品種の保護登録(RNCP)および商用登録(RNCC)がなされた(JFNC 1 のRNCP,RNCC登録番号:510,955;JFNC 2同:511,1010)。
パラグアイに適応した大豆品種に国際農研の遺伝子集積系統をドナー系統としてさび病高度抵抗性を付与する形で共同で育成し、2018年1月15日、パラグアイ国立植物・種子品質・防疫事業団(SENAVE)において、品種の保護登録(RNCP)および商用登録(RNCC)がなされた(JFNC 1 のRNCP,RNCC登録番号:510,955;JFNC 2同:511,1010)。
背景・ねらい
国際市場の大豆の半分以上を生産する南米諸国では、2001年に発生が確認されたダイズさび病が最も重要な大豆病害となっている。特に熱帯・亜熱帯地域であるブラジル、パラグアイ、ボリビアでの被害は深刻で、近年はさび病菌の殺菌剤耐性が増大したことにより更なる生産コストや環境負荷の増大が懸念されている。そこで国際農研とパラグアイのNikkei-Cetapar農業試験場は、パラグアイに適応した大豆品種に国際農研の遺伝子集積系統をドナー系統としてさび病高度抵抗性を付与する形で、ダイズさび病抵抗性大豆品種JFNC 1とJFNC 2を共同で開発・リリースした。
現地では殺菌剤耐性のさび病菌により生産コストや環境負荷が増大しているため、これら新品種の高度なさび病抵抗性は非常に有効である。新品種は高度なさび病抵抗性を有する一方、生育期間や粒重などの農業形質については元の品種と同等の特性を維持しているため、これら新品種はパラグアイに適応した優良な栽培品種となることが期待できる。
特徴
- 新品種「JFNC 1」、「JFNC 2」は、国際農研が育成した3つの抵抗性遺伝子(Rpp2, Rpp4, Rpp5)を有するさび病抵抗性系統「No6-12-1」を一回親、パラグアイNikkei-Cetaparの品種「Aurora」、「YG203」をそれぞれ反復親とし、DNAマーカー選抜を利用した戻し交配育種によって開発されたさび病抵抗性大豆品種である。
- パラグアイ圃場においてJFNC 1、JFNC 2は平均して元の品種の3.1%と4.1%までさび病の病斑面積が減少し、殺菌剤を使用しなかった場合のJFNC 1とJFNC 2の収量性は、2か年平均で改良前の品種からそれぞれ1.7倍と1.4倍に向上した。
- JFNC 1、JFNC 2は、それぞれの元品種と伸育性、花色(胚軸色)、毛じ色(茎および莢)、葉形、種皮色、臍の色、生育期間、草丈、100粒重、種子脂質含有率、種子粗タンパク含有率、ダイズ茎かいよう病抵抗性、について同等の特性を有する。
- 栽培地や栽培年の環境の変化によって変化するが、JFNC 1、JFNC 2は、は2016年パラグアイにおいてそれぞれ41.0%、38.8%の高い種子粗タンパク含有率を示した。
登録情報
■出願先国:パラグアイ共和国
- 農林水産植物の種類
- Glycine max (L.) Merr. (ダイズ種)
- 品種名称
- ① JFNC1
② JFNC2 - 旧系統名
- ー
- 出願番号 (出願日)
- ① 019/18
② 027/18
(2017/2/20) - 公表日
- ー
- 登録番号
(登録日) - ① 510
② 511
(2018/1/15) - 育成者権の
存続期間の終期 - 2033/1/15
- 育成者権の共有者
- パラグアイのNikkei-Cetapar農業試験場
関連文献
連絡先
〒305-8686 茨城県つくば市大わし1-1
国際農研 企画連携部 企画管理室 知的財産専門職
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