インゲンマメ種「ハイブシ」

「ハイブシ」は、昭和60年に国際農林水産業研究センター(元熱帯農業研究センター)が実施した遺伝資源収集探索調査において、マレーシア国で収集した遺伝資源である雑駁なサヤインゲン種子集団から、純系選抜によって育成された耐暑性の品種である。鹿児島県、沖縄県、東京都小笠原など夏期に高温となる地域で、結莢における耐暑性が高く、夏期栽培で収量性が高く高温による若莢の品質劣化も少ないと評価された。ハイブシは沖縄の方言で南(ハイ)の星(ブシ)を意味する。

背景・ねらい

亜熱帯に位置する南西諸島は高地が乏しく、夏期は高温のため野菜の栽培が困難であり、野菜不足のため、高価格で鮮度の低下した内地からの移入野菜に頼らざるを得ない。我が国には今まで、耐暑性の高いインゲン品種が無かったため、6月~10月までの高温期は既存の品種は結莢できず、沖縄県にはこの期間に収穫できるサヤインゲン品種は無かった。そこで、沖縄の夏期でも収穫できる耐暑性のサヤインゲン品種の育成を試みた。

特徴

「ハイブシ」は無限つる性、収穫始期までの日数は播種期を問わず約50日の中生の品種で、花は赤紫色、種子は小粒の黒色、若莢は地色が淡緑で軽く曲がり、筋を有する平莢の品種である。「ハイブシ」の結莢のための耐暑性の限界温度は28.0~29.5℃の範囲にあり、平年の気温であれば、南西諸島の多くの地点で夏期栽培が可能である。耐暑性限界以下の気温条件下では、夏期栽培で「ハイブシ」は、収穫期間2ケ月で3t/10a程度の収量が有られ、食味は既存品種と同等である。

登録・出願情報(育成者権の存続期間満了)

■出願先国:日本

農林水産植物の種類
Phaseolus vulgaris L. (インゲンマメ種)
品種名称
ハイブシ
旧系統名
いんげんまめ農林1号、石垣1号
出願番号
(出願日)
第7771号
(1995/4/7)
公表日
登録番号
(登録日)
第6624号
(1998/7/17)
育成者権の
存続期間の終期
2013/7/18
※期間満了
育成者権の共有者

(単独)

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