成果の概要

本出張では、カキ養殖漁場に発生する貧酸素水の発生パターンの詳細な推移を自記式溶存酸素計により把握した。一方、実験室では、熱帯産の養殖カキの摂餌活動に及ぼす貧酸素水の影響を明らかにするため、飼育実験により溶存酸素を濃度別に調整した飼育海水下で摂餌実験を行い、低酸素濃度が摂餌行動に及ぼす影響を明らかにした。更に、熱帯カキが有する貧酸素耐性についても、貧酸素状態の飼育海水による連続飼育によって評価し、現地の養殖カキが有する貧酸素耐性の有無を明らかにした。
また、定期採集されたカキ標本の試料処理を行うとともに、養殖カキの初期稚貝を安定育成するために用いる中間育成装置を複数作製し、乾季（2～3月）に予定する養殖場での普及試験に向けた準備を進めた。