「ミバエ」という害虫

マンゴー生産者が注意すべき害虫


 「ミバエ」とは、ハエ目ミバエ科に属する虫で、果実に卵を産み付け、幼虫が果実を食害します。農業への影響が大変大きい世界的な害虫です。現在日本にミバエは生息していないので、日本へのこの害虫の侵入を防ぐことが大変重要です。輸入マンゴー青果は、蒸熱処理を施し、日本の植物検疫を受けたうえで日本国内に流通しています。

 現在日本にはミバエは生息していませんが、1990年代まで亜熱帯地域である沖縄県にはウリミバエやミカンコミバエがいました。ミバエのために果物や野菜などの農産物を県外の市場に出荷することができなかった沖縄県はミバエ根絶のための研究や取り組みを進め、1972年に開始した「ミバエ根絶事業」を成功させました。その結果、1986年にミカンコミバエが、1993年にウリミバエが沖縄県から根絶されました。それ以降、沖縄県から日本各地に蒸熱処理をせず、新鮮なマンゴーを出荷することができるようになったのです。


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